防犯のすゝめ

カード手渡しが増える?変わるオレオレ詐欺の傾向

息子や孫を名乗って金銭をだまし取るオレオレ詐欺の手口は、巧妙化する一方です。金融機関の防犯対策を受けて広まりを見せつつあるカード手渡しタイプの詐欺行為について紹介しましょう。

金融機関のオレオレ詐欺対策と新型手口

オレオレ詐欺の被害が深刻化した2015年、警察から金融機関に対して積極的な声かけを行うように要請がなされました。金融機関の熱心な取り組みが功を奏し、1年間に1万件以上の阻止効果が得られたそうです。金融機関と警察が連携した対応は引き続き行われていて、オレオレ詐欺を水際で食い止める重要な機能を担っています。

ただし、この対策では対処できない新型の詐欺手口が登場しました。百貨店や警察官、銀行協会を語る犯人がキャッシュカードを受け取り、現金を引き出す手口です。カード手渡しタイプの犯罪被害は、2017年10月までに10億円にものぼっています。新たな詐欺手口として、基礎知識を持っておかないと危険です。

実際に起こったカード手渡しタイプの事件例

2017年3月には、東京都の80代女性が100万円の被害に遭いました。百貨店と警察を名乗る人物から「あなたのキャッシュカードが使われた」と相次いで連絡が入り、自宅を訪問してきた金融機関職員にカードを渡したことが発端です。「カードを止める」という名目でキャッシュカードの提出とともに暗証番号を聞き出し、100万円が引き出されました。

キャッシュカードの手渡しを受け、暗証番号を聞き出す名目には、いくつかのパターンがあります。亡くなった配偶者の預金を振り込む・キャッシュカードを使えなくしたので、以前のものを取りに行くなどが一例です。現金を手渡すわけではないことから、心理的な抵抗感が働きにくいことも詐欺被害を拡大させます。

カード手渡しタイプの詐欺に有効な予防対策

警察官や銀行協会がキャッシュカードを受け取りに来ることはなく、訪問者には渡さない対策が有効です。暗証番号は重要な個人情報と考えて、安易に教えない心構えも必要でしょう。

オレオレ詐欺の実行犯は組織の末端であることが多く、逮捕しても新しい手口が横行するいたちごっこになりがちです。近隣地域で犯人が逮捕された報道があっても油断しないで、引き続きの予防対策が求められます。キャッシュカードについて語る連絡があったら、すぐに警察へ連絡しましょう。なるべくたくさんの情報を集めることが被害拡大を防ぎ、犯人逮捕への近道です。

オレオレ詐欺については知っていても、カード手渡しタイプの手口を知らないと、被害に遭うおそれがあります。離れて暮らす家族に警戒を促し、大切な人が危険な目にあうことがないように対策しましょう。

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