防犯のすゝめ

カード手渡し型詐欺が急増!その手口とは

オレオレ詐欺を代表とする特殊詐欺は、手口を巧みに変えながら増加の一途をたどっています。今、新しく登場した詐欺の手口がキャッシュカード手渡し型詐欺です。被害の割合も多いカード手渡し型詐欺とはどのような手口なのか、その対策をお話します。

カード手渡し型詐欺の急増

特殊詐欺の手口は、摘発されては新しい手口が生まれることを繰り返して増加する一方です。世間にも特殊詐欺への注意喚起が広まっているにもかかわらず、被害に遭ってしまう人が増えているのは、その手口が巧妙なことに起因しています。

2017年10月には、認知されただけでも神奈川県で232件の被害件数が確認されました。特殊詐欺の中でも、最新の手口として約4割を占めているのがカード手渡し型詐欺です。特殊詐欺だけでは県内の年間被害総額が41億円を超えており、そのうちカード手渡し型詐欺の被害が6億円以上に上ります。2016年度と比べると、10倍近い被害発生件数です。

カード手渡し型詐欺の手口

同じ特殊詐欺の手口でも、これまでは振り込め詐欺が主流を占めていました。これに対して、特殊詐欺は詐欺犯罪グループに直接キャッシュカードを手渡すよう仕組まれるというのですから驚かされます。

具体的にはまず、警察官や金融機関の職員を装って高齢者宅に電話がかかります。「警察です。あなた名義の口座(またはクレジットカード)が、振り込め詐欺に使われています。」と始まるのです。警察など信頼度の高い職業を名乗られると、本当なのか信じていいのかと不安をあおられます。その不安に乗じて、「このままでは預金がおろせなくなる」「個人情報が漏洩する」「カードを使い込まれる」などとまくし立てることで、「キャッシュカードを新しくすれば大丈夫」と安心させる流れに持ち込むのです。

さらに偽警察官は、「これから金融機関の職員から連絡をさせる」と高齢者を安心させます。偽金融機関の職員から電話がかかってくると、「警察から連絡を受けて、電話しました。キャッシュカードが悪用されている件は、新しいカードを作れば大丈夫です。今から職員が新しいカードを取り替えに行くので、このまま電話をつないでおいてください。」と案内するのです。電話がつなぎっぱなしですから、被害者は家族などに相談する余裕もなくなるでしょう。

偽の金融機関職員が訪問してくると、偽の名刺を差し出して被害者をさらに安心させようとします。キャッシュカードを被害者から受け取ると、さも心配しているように声をかけながら暗証番号まで聞き出します。これで、簡単にキャッシュカードから他人がお金を引き出すことが可能になってしまうのです。

なぜ被害に遭ってしまうのか

急増するカード手渡し型詐欺の対策は、警察でもなかなか被害を食い止められないといいます。被害に遭ってしまう背景には、心理的なハードルが低いことが関係しているのではないかと見られています。現金が登場しないため、カードを渡してもすぐには何も起こらないだろうと油断してしまう人もいるでしょう。

しかし、詐欺を実行しているのは犯罪グループですから、カードを渡してから現金を引き出されるまでがスピーディーです。騙されたかもしれないと気付く頃にはとっくに口座が空になっていることが多いため、細心の注意を払って被害に遭わないように気を付ける必要があります。

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