白昼堂々の犯行も!連休中は“空き巣”にご用心
連休中は出かける機会が増えます。夏休みなどを利用して旅行を計画している方もいるでしょう。そんな時には住宅の防犯対策をすることで空き巣被害を防ぐことが可能です。 楽しい旅行の思い出を壊さないためにも、空 …
近年、警察官をかたる詐欺が増えています。偽の逮捕状を提示して現金を騙しとる手口となっており、高齢者だけではなく若者でも被害に遭いやすい傾向があります。警察官をかたる人物から電話やショートメッセージが届き、警察手帳や逮捕状の画像などを見せられるため「本物だ」と勘違いしやすいです。
大阪府警によれば、2025年3月末までのオレオレ詐欺の認知件数は199件だと言います。そのうち、8割以上が警察官をかたる詐欺だったこともわかっています。この記事では、大阪府警による啓発動画の詳細や、特殊詐欺撲滅に向けた取り組みを解説していきましょう。
警察官をかたる詐欺被害が増加していることを受けて、大阪府警では生成AIによる啓発動画を香川大学サイバーセキュリティセンターに制作依頼をし、配信を行っています。動画内では、制服を着た警官がSNSによるビデオ通話で「詐欺事件の共犯者の逮捕状が出ています」と言って逮捕状を見せてきます。その上で、「あなたの口座の資産を調査する必要があるのでネットバンキングで送金してほしい」といった指示を出してきます。
この内容は、実際にあった詐欺被害の手口を生成AIで再現しています。なぜ生成AIなのかと言うと、今後生成AIを使った手口が広がる可能性があるためです。生成AIで作られた人物は非常に精巧です。まるで本物の警察官のような見た目をしているため、騙される可能性が高いです。しかし、実際の警察官はSNSでのやり取りやネットバンキングへの送金を求める行為は絶対にしないと言います。不審な電話やメッセージが届いたら、無視をして警察署に相談しましょう。
大阪府警では、生成AIによる詐欺被害の啓発動画以外にも、様々な取り組みを行っています。その1つが「徹底した取り締まりの推進」です。迅速・的確な初動対応によって実行犯の検挙を徹底する他、余罪捜査や犯行グループに対する突き上げ捜査を推進しています。特殊詐欺捜査課には、全国にある警察と連携して機動的な捜査を実施する「特殊詐欺連合捜査室」を設置しています。その結果、現役の暴力団幹部による受け子管理グループの検挙や、詐欺に使用された電話番号を多く提供している悪質通信事業者の実質的な経営者となる指定暴力団組員を検挙しています。
また、「発生実態に即した被害防止活動の推進」では、幅広い情報発信ツールを活用した注意喚起を行っている他、自治体と連携して防犯機能付きの電話機の普及促進や広報啓発活動などを推進しています。
ビデオ通話を活用して警察官をかたる詐欺被害では、AI技術を用いた合成映像が使われているケースもあります。これは、顔の加工や合成ができるアプリやツールが手軽に利用できるため、増えてきた行為です。ビデオ通話の場合、警察官をかたるとしても犯人は自分の顔をさらす必要があります。
しかし、AI技術を用いれば加工ができるので顔をさらさずに済みます。精度の高い技術ですが、映像をよく確認してみると顔が横や下を向いた時に違和感があるケースもあるので、落ち着いて確認すれば合成映像だと判断できる可能性があります。姿を映しているため「詐欺ではない」と先入観を抱きがちですが、合成映像での犯行も増えているため注意が必要です。