防犯のすゝめ

神奈川県警で全国初のAI導入による事件・事故発生予測システムに着手

2月9日、神奈川県警はAI(人工知能)を活用した犯罪発生予測システムの導入を発表しました。神奈川県警でAIの調査・開発を進め、2020年を目途に運用予定です。AIによる犯罪発生予測システムは、どのような効果をもたらすのでしょうか。

神奈川県警が目指す犯罪予測システム

神奈川県警のAIシステムは、2009年から蓄積した約260万件の事件や事故の情報をもとに、犯罪発生のアルゴリズムを開発しました。事件や事故が起きやすい場所や時間帯を予測し、パトロールの順路を効率化します。

新システム構築のゴールは、事故や犯罪を未然に防ぎ県民の安全を守ることです。東京五輪・パラリンピック開幕までの試験運用、2020年末までに本格運用を目指すと言います。

犯罪予測システムの実績

犯罪予測システムは、アメリカや日本国内でも導入されています。それぞれの事例と成果を見てみましょう。

アメリカ・シカゴ市警察は、犯罪予測システムを導入して、時間や季節、天候、地域経済などの要因をもとに犯罪予測を立て、警察が体制を強化しました。その結果、発砲事件や殺人事件が3割以上減少したそうです。

日本国内では、京都府警が犯罪予測システムを開発しています。現時点では運用成果の検証中ですが、半年程度で40件程度の事件で検挙できたという実績が出ました。AIによる犯罪予測システムは、事件のデータが集まるほど精度を増すため、今後の期待も高いです。

犯罪予測システムの注意点

神奈川県警の犯罪予測システムに対して世間的な関心は高いです。ただし、AIによる犯罪予測システムは、時として間違いを犯す可能性があります。

たとえば、サイバー攻撃によってデータ改ざんや漏えいが行われると、犯罪予測システムが機能しません。犯罪グループが警察のパトロール体制をかく乱するため、サイバー攻撃をする可能性も十分にあります。

アメリカでは、犯罪多発地域で市民が疑いを掛けられる事例も発生しました。あくまでAIでの分析・予測に過ぎず、市民一人ひとりの意見は反映されていません。この点、監視型社会になってしまい、人権侵害や偏見を助長するのではないかという懸念もあるようです。したがって、神奈川県警には適正なシステムの運営が期待されています。

AIによる犯罪予測システムは今後導入の機運が高まるはずです。京都府警に続き神奈川県警が導入し、どれだけの犯罪抑止になるのかが期待されます。2020年時点でどのような変化が起こるか、その動向や成果に注目していきましょう。

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