防犯のすゝめ

【熊本県】くまモンにそっくりな「ワルモン」とは?詐欺被害の撲滅を目指すイベントに登場

ゆるキャラの中でも特に知名度が高く、人気もある「くまモン」は熊本県のPRマスコットキャラクターです。そんなくまモンと姿が似ている「ワルモン」というキャラクターが登場したことをご存じでしょうか?このワルモンは、2025年9月に誕生したばかりのキャラクターになります。今回は、くまモンとそっくりなワルモンとはどんなキャラクターなのか、どのような経緯で誕生したのかなどを詳しく紹介します。


熊本出身!ワルモンとは?

熊本県出身のワルモンとはどんな特徴を持つキャラクターで、なぜくまモンと似ているのでしょうか?ここで、ワルモンの特徴などを紹介していきます。

・ワルモンの特徴

ワルモンは、9月15日の敬老の日に誕生したキャラクターです。2025年9月に誕生したばかりの0歳のオスグマになります。姿形はくまモンとそっくりになりますが、眉と目は吊り上がっており、くまモンのトレードマークである赤い頬はワルモンだとバツ印になっています。さらに、不敵な笑みを浮かべており、首元には大きなチェーンを巻いているのが特徴です。詐欺師を自称しており、特技はものまね、趣味は相撲観戦になります。また、好きな食べ物は冷めたイカ(イカ冷まし→イカサマ師)、苦手なことはなぞなぞ(熊も解けん→熊本県)など、ダジャレも織り交ぜられたプロフィールになっています。

そんなワルモンというキャラクターを制作したのは熊本県警です。熊本県警が悪者をキャラクターとして取り上げることに対して、県警内でも懐疑的な意見が集まったようですが、ワルモンが手口をペラペラと話してしまうという性格を利用し、多くの人にどんな詐欺の手口があるのか広めることが重要だと判断して制作されています。

・詐欺被害の撲滅を目指すイベントでくまモンと共に登場

9月15日に熊本県警は、特殊詐欺の深刻な被害を受けて、高齢者を詐欺から守るために注意を呼びかけるイベントを開催しました。熊本市内のびぷれす広場で行われたイベントでワルモンが初お披露目され、くまモンや熊本県警のシンボルマスコット「ゆっぴー」と共に登場しました。詐欺の被害を再現した劇ではワルモンが悪者として登場し、詐欺の手口を紹介しています。このイベント会場では家の固定電話で国際電話を受けないための対策用ブースも設けられていました。


熊本県の特殊詐欺認知件数及び被害額は増加傾向

ワルモンが誕生した経緯として、熊本県内の特殊詐欺被害が急増していることが挙げられます。例えば「オレオレ詐欺」や「預貯金詐欺」「還付金詐欺」といった「電話で『お金』詐欺」の被害状況を見ると、2025年9月末時点で認知件数は160件、被害総額は約7億1,500万円にも上っています。昨年同月と比較すると、認知件数は73件で被害総額は約3億2,000万円だったことから、80件以上増加し、被害額も約4億円近く増えているのです。被害者の年齢を見ると80歳以上が27.5%と最も多い割合となっていましたが、20代が12.5%、30代が11.3%と、70代の14.4%とそれほど差がない状態であり、年齢に関係なく特殊詐欺の被害に遭っていることがわかります。

また、「SNS型投資・ロマンス詐欺」の被害状況は、2025年9月末時点で認知件数が122件、被害総額は約11億円以上となっています。こちらも昨年同月より認知件数が約50件、被害総額は約1億3,000万円も増えていました。手口別に見るとSNS型投資詐欺が約65%、ロマンス詐欺(投資)が約23%、ロマンス詐欺(その他)が約10%になります。特にSNS型投資詐欺が半数以上を占めており、詐欺被害に遭ってしまう人が多い傾向にあります。また、被害者の年齢別割合を見ると、60代の28.7%が最も多く、次いで50代の23.8%、40代の18.9%となります。SNS型投資詐欺はスマホとSNSを活用するため、70代以降の被害件数は少ない状況ですが、逆にスマホとSNSが使える50~60代が騙されやすい結果となっています。

熊本県警では被害者に話を聞いたところ、大半が詐欺の手口を知らなかったと回答していたため、多くの人に興味を持ってもらい、詐欺の手口を少しでも知ってもらおうということで、ワルモンが誕生しています。


10月からはSNSデビュー!

あくまでワルモンは自称詐欺師という悪者になるため、熊本県警では悪者をヒーローにするようなことはないと語っています。そんな中でワルモンの活動の幅は広がっており、2025年10月からは熊本県警の犯罪抑止対策室のアカウントを活用し、ワルモンもSNSデビューを果たしました。ワルモンは熊本弁を使い、イベントに参加した時の様子や裏側などを紹介しています。ワルモンが出演するイベントを観に行ってみたい方は、SNSもチェックしてみましょう。

今回は熊本県警が制作したキャラクター「ワルモン」について紹介しました。熊本県警があえて悪者をキャラクターに仕立てたのには、特殊詐欺の手口を広めて被害を抑えようという想いが込められています。現在は高齢者だけでなく、20代~30代の若者を狙った特殊詐欺も増えていることから、キャラクターを活用して特殊詐欺の手口を広めていくのは有効な手段と言えるでしょう。

人気の防犯グッズ











資料請求・ご相談フォーム

この記事に関連する記事