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スマホ1つあれば決済ができ、レジで小銭を探す手間も省ける「電子マネー」は、現在多くの店舗で活用することが可能です。利便性が高い一方で、電子マネーを悪用した詐欺事件も発生しています。電子マネーを安全に活用するためにも、どのようなセキュリティ対策を行う必要があるのでしょうか？今回は、電子マネーを悪用した詐欺の手口から、やっておくべきセキュリティ対策などを解説します。よく電子マネーを活用している人はぜひ参考にしてください。

電子マネーにおける詐欺の手口を紹介

電子マネーを使って決済をするのは非常に便利ですが、場合によっては詐欺に遭ってしまう可能性もあります。具体的にどのような手口があるのか解説していきましょう。

・偽造されたQRコードを読み取ってしまう手口

電子マネーのQRコード決済には、店頭に表示されているQRコードを読み取って決済する「店舗掲示型」という方法があります。この方法は店舗側にとってコストを抑えつつ電子マネー決済を導入できる手段ということもあり、多くの店舗で活用されています。しかし、QRコードは常に置きっぱなしの状態になっているため、第三者が別のQRコードを貼り付けたとしても気付かれにくくなっています。利用者は店の代金を支払ったつもりでも、実際は犯人に送金してしまうという手口です。

・支払い用コードを盗撮する手口

QRコード決済には上記の店舗掲示型だけでなく、自身の決済アプリでバーコードやQRコードを表示させ、店舗側が読み取る「利用者掲示型」もあります。利用者掲示型は実際に支払う時しか表示しないため、一見安全に思えるかもしれませんが、誰かに支払い用のバーコードやQRコードを撮影されてしまうと、自分自身の支払いになってしまう恐れがあります。しかも店舗側は入金自体がされているため、不正と気づきにくいという特徴もあります。

・QRコード決済の返金処理で騙す手口

電子マネーを活用してECサイトで買い物をする際に、返金処理を謳う詐欺も横行しています。この手口では、まず利用者がECサイトで電子マネーを活用して商品を購入します。すると、ECサイトの運営者から「在庫がないため、返金いたします」という旨のメールが届きます。この返金手続きとして送られてきたQRコードを読みとり、返金コードを入力してしまうと、入力したコードと同じ金額分が自分から相手に送金されてしまうのです。また、そもそもECサイト自体が偽物であり、電子マネーで支払いを済ませたのに商品が発送されなかったり、決済情報や個人情報が盗まれたりするケースもあります。

電子マネーにおける詐欺手口を防ぐには？

電子マネーを悪用した詐欺手口は、意識するだけでも未然に防ぐことは可能です。どのようなことに気を付ければ良いのか確認しておきましょう。

・QRコードのステッカーを確認してから読み取る

店舗掲示型のQRコード決済を活用する場合、スマホで読み取る前にステッカー側を確認してみてください。明らかにステッカーの上からQRコードの紙が貼り付けられている場合、詐欺に遭う可能性が高まります。もし貼り付けられているようならスタッフに確認を取ってもらいましょう。ただし、上から貼り付けられていても店舗側が何らかの理由で新しいコードを貼り付けている場合もあるため、詐欺と決めつけないようにしてください。

・読み込み画面を表示した状態でレジに並ばない

レジで並んでいる段階で、スムーズに決済をしようとアプリを開き、バーコードやQRコードを表示した状態で待っている人もいます。しかし、読み込み画面を開いたまま並んでいると後ろから盗撮されてしまう可能性が高いです。レジが混雑していて並ばないといけない場合でも、バーコードやQRコードが表示された画面は映さず、会計前に表示するようにしましょう。

電子マネーを悪用されないためのセキュリティ対策

電子マネーの詐欺を防ぐためには、セキュリティ対策も見直すことが大切です。ここで、悪用されないためのセキュリティ対策を紹介します。

・2段階認証・多要素認証を取り入れる

まずやっておきたいのが、スマホのセキュリティ設定です。犯罪者は常に暗証番号・パスワードなど認証情報を手に入れられないかチェックしています。例えばスマホを取り出した際にパスワードを打っている姿を盗み見られてしまえば、簡単に電子マネーを悪用されたり個人情報を盗まれたりする可能性が高いです。このような事態に巻き込まれないためにも、安易なパスワードだけでなく2段階認証や多要素認証を取り入れるのがおすすめです。2段階認証や多要素認証を取り入れれば、万が一犯罪者にIDやパスワードを知られてしまっても、悪用されるリスクは低くなります。 

・ID・パスワードを使い回さない

「覚えられないから」という理由で電子マネーのID・パスワードを別のサイトでも使っているという方は多いでしょう。もしID・パスワードが流出してしまった場合、使い回していたことで電子マネーにもアクセスできてしまう可能性があります。逆に、電子マネーのID・パスワードが流出したことで、他のサイトでも被害に遭う恐れがあるのです。そのため、IDとパスワードは使い回さず、一つひとつ別のID・パスワードを設定するようにしましょう。

・定期的に決済履歴を確認する

本人の知らないところで電子マネーが悪用されている可能性があります。特に近年は本人が気づかないほど少額しか使わず、気付いた時には大金が使われていたというケースも少なくありません。このような事態にならないように、定期的に決済履歴を確認するクセを付けましょう。また、電子マネーを利用した際にスマホへ通知が来る設定にしておくと安心です。

・セキュリティソフトを活用する

電子マネーだけでなく、スマホのセキュリティ強度を高めたい場合は、セキュリティソフトの導入がおすすめです。セキュリティソフトを導入すると、ウイルスやフィッシング攻撃などのリスクを素早く検出し、安全性を確保してくれます。迷惑メールのフィルタリング機能や、アプリをダウンロードする際に不審なプログラムがないか確認する機能なども備わっているので安心です。 

電子マネーは便利で使いやすい反面、犯罪者に悪用されてしまう危険性もあります。電子マネーを悪用した詐欺に引っかからないためにも、日頃から意識を高めセキュリティ対策を講じておくことが重要です。