防犯のすゝめ

空き巣の手口で多いガラス破りの防犯対策

留守宅を狙って侵入される空き巣被害では、施錠していない玄関や窓が侵入経路となることも少なくありません。しかし同時に多いのが、ガラス破りです。施錠していても油断できない空き巣被害に遭わないためには、ガラス破りにどのような防犯対策をしたらよいのでしょうか。

ガラス破りの空き巣被害は全体の40%以上

警視庁の生活安全局生活安全企画課の発表によると、一戸建てでも共同住宅でも、ガラス破りによる空き巣被害は全体の40%以上を占めているといいます。共同住宅よりは若干一戸建てのほうが、被害が上回っている事実はあるとしても、ほぼ同等にガラス破りの被害件数が出ているのです。

「鍵がかかっていれば空き巣に侵入されることはないだろう」という油断は禁物です。警察庁でもガラスの種類ごとに防犯性能を紹介するなど、一般市民への周知をおこなっています。防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議でも、防犯ガラスやガラスに貼る防犯フィルムの普及に努めるため、防犯建物部品目録の充実を進めています。

網入りガラスは空き巣に好都合

防犯対策として、家のガラスを面格子付きや網入りガラスにしているというお宅もあるでしょう。ところが、これらの素材に防犯効果があると思うのは誤りです。

網ガラスは一見防犯用に見えますが、実は「防災用」のガラスです。空き巣にとっては、ガラス破りの手順が通常のガラスと違いありません。むしろ、ガラスが割れる音や衝撃が小さくて済むため、網ガラスになっているほうが空き巣には好都合です。

別名、二重ガラスのペアガラスも防犯用のガラスではありません。ペアガラスの役割は、結露対策や遮熱・断熱などです。面格子も、ドライバーなどで簡単に取り外せてしまいます。CPマーク付きの防犯性が高い製品以外は、防犯用にならないと考えておいたほうがよいでしょう。

防犯ガラスか防犯フィルムが有効

では、窓ガラスにはどのような防犯対策が有効なのでしょうか。一つには、サッシ用補助錠を使うという手があります。窓のサッシに防犯テープを貼って設置し、カギを開けても窓が開きにくいようにする仕組みです。急いで侵入したい空き巣には効果があります。

また、防犯フィルムを使用するのも良いでしょう。窓に貼るだけでガラス強度が高まります。防犯フィルムを貼る際は、カギ周辺だけでなく窓ガラス全体に貼るのがポイントです。

警察庁で打ち破り実験を行った防犯ガラスの性能について、Webサイトで確認しておくこともおすすめします。これによると、フロート板ガラス・網入りガラス・強化ガラスには、防犯性能は認められないとされています。実験によって防犯性能が認められたガラスとしては、防犯ガラス・防犯フィルムがあげられています。具体的にどのような防犯ガラスや防犯フィルムが効果的かは、専門家に相談してみることも必要です。

防犯になると思っていたガラスが、むしろ空き巣に好都合であり、防犯効果がないという事実は衝撃だと思います。しっかり防犯対策をするために、侵入経路となり得る窓ガラスの選択は正しくしておきましょう。

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