防犯のすゝめ

JR東海、新幹線の防犯装備を充実

もしも乗り合わせた電車に暴漢が現れたらと思うと、パニックになって逃げ切れるかわからないと心配になりませんか?JR東海では先頃、新幹線の防犯装備を充実させたと発表しています。どのような防犯装備になるのかについて、お話します。

列車内で使う防犯装備と医療用品を充実

新幹線車内での無差別殺傷事件を受け、JR東海では防犯装備と医療用品を充実すると発表しています。防犯スプレーや耐刃手袋・ベストなども、車内の複数個所に設置する予定だとのことです。実際に起きた事件では、座席シートを盾にするなどして乗客が非難したり、乗務員が犯人の説得にあたったといいます。警察と相談して、より実効性の高い防犯装備にしていくようです。

防犯装備の充実に加えて、乗客のボディチェックが有効なのではないかとの意見も世間にはありますが、JR東海では実施しないと明言しています。鉄道の利便性を著しく損なうためです。代わりに、民間警備会社の警備員や警察官による車内巡回は強化されています。

有事の避難誘導にスマートフォンでの情報共有を導入

万が一事件が発生したら、鉄道の乗務員は乗客を避難誘導しなければなりません。これに対して、JR東海では乗務員同士や乗務員と指令員がスマートフォンで情報共有する仕組みを導入する予定だと発表しています。列車内で乗務員がスマートフォンを操作していたことが問題になりがちですが、これからは実用的に乗務員がスマートフォンを活用する機会も出てきそうです。

海外とは規模もダイヤも違う日本のターミナル駅

新幹線での事件は、毎年のように発生するようになりました。犯人が他の乗客と区別がつかないような装いであったことから、危険物を持ち込んでいないか手荷物検査をするべきではないかとの意見もあがっています。しかし、新幹線の利用者は1日に平均して45万人を超えています。1年間では、1億7000万人ものりようしゃがいて、運転本数も1日に350本以上だというのですから、手荷物検査は現実的ではありません。ただし、何らかの安全確保対策は必要になるため、AIを用いた不審者検知なども検討されているといいます。

諸外国では、10分おき前後に出発する列車でも手荷物検査やボディチェックがおこなわれることがあります。混雑は必至ですが、日本ではなぜこれができないのかといわれています。実は、外国のターミナル駅の多くは、日本より桁違いに広々したスペースです。チケットを購入する際に実名を告げなければならなかったり、身分証明書のデータが保管されるようなこともあります。この場合、常に監視されているような状況になり、日本ではそれこそプライバシーの問題が指摘されるでしょう。日本では今のところ、車内の防犯を充実させることだけが頼みの綱となっています。

電車内の事件が増えつつあり、巻き込まれる恐れは誰にでもあります。より安全に電車を利用できるように防犯対策を充実させてほしいものですが、乗客も有事に備えて心構えをしておく必要がありそうです。

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