防犯のすゝめ

パブリックセーフティの有用性とリスク

AIやロボットの開発については話題となることが多いのに、日本ではパブリックセーフティにやや消極的です。海外では、防犯カメラから得た映像などをAIで分析して防犯に役立てるような動きが盛んになっています。パブリックセーフティの有用性とリスクについて、お話します。

世界的なトレンドのパブリックセーフティ

パブリックセーフティとは、AIやビッグデータなどの最新テクノロジーを利用して犯罪・事故・テロなどを防止することです。災害や環境汚染から地域を守るための方法としても利用されつつあるパブリックセーフティは、世界的なトレンドとなってきています。様々なビッグデータをAIによって解析し、現場で対処するという動きは海外200都市で導入されているといいます。

世界的にパブリックセーフティの動きが高まっているのに対して、日本ではプライバシーの侵害として抵抗感を持つ人が多く、自治体も及び腰な傾向があります。技術は世界についていく力があるにも関わらず、コンセプトに賛同する人がまだまだ少ないのです。

パブリックセーフティは監視社会を招く?

日本でパブリックセーフティの導入が後れをとっているのは、社会に監視されるのではないかというリスクを心配する人が多いからでしょう。東京五輪を前に実証実験は始まっているといいますが、身近にパブリックセーフティを感じている一般の人は少ないのではないでしょうか。

確かに、監視されていると思うと不自由を感じやすいものです。事件や事故を未然に防ぐ目的があるとは理解していても、利用範囲が他に広がってしまうリスクも懸念されます。重要なのは、AIに何を覚えこませて犯罪予測に利用するかといったことです。アルゴリズムが整っていない状況では、実際には何の罪もない人まで犯罪者ではないかと疑われてしまう恐れがあります。パブリックセーフティを導入して本格始動させるには、対策も十分に整えておくことが大切です。

犯罪や事故防止から災害対策にまでなるパブリックセーフティ

監視社会になるリスクがあるとはいえ、パブリックセーフティは犯罪や事故だけでなく災害対策や混雑緩和などの対策としても利用できる可能性があります。身近な街づくりや日常生活を安全かつ快適に送るためにも、幅広い有用性に目を向けてリスクに有効な対策を講じることが急がれます。

日本は、海外に比べるとはるかに治安がよいとされています。しかし、その治安のよさが犯罪者にスキを突かれるリスクもあります。災害対策や身近な生活に役立つ可能性も知りつつ、パブリックセーフティへの理解を1人1人が深めていく必要がありそうです。

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