防犯のすゝめ

ますます狡猾になるアポ電。新たな手口も続々と登場

事前に電話でターゲットの状況を探る手口であるアポ電。今年の2月、東京都江東区で起きた強盗事件をきっかけに大きく広がった言葉です。「電話で知らない人に資産状況なんか聞かれても答えるわけがない」と思う方も多いでしょうが、犯罪者は次々と新しい手口を考え出し、それが通用しなくなればまたさらに新しい手口を考え出していくのです。私たちは常に犯罪者の手口に対策できるよう情報を収集しておかなければいけません。

詐欺から強盗へ。犯罪はさらに凶暴性を増していく

オレオレ詐欺や振り込め詐欺など、高齢者を狙う特殊詐欺としてさまざまな手口が知られています。お金を騙し取られて平気な人はいないでしょうが、今は強盗殺人に発展して命を奪われることもあるなど、お金だけで済んで良かったといえるほどの状況になりつつあります。強盗が増えている原因としてまず考えられるのは、詐欺に失敗して途中から強盗に切り替えるパターン。それ以外にも最初から強盗を目的としている可能性も考えられます。東京都内でアポ電と思われる電話は2018年には3万4,658件となりました。この数字は前年比で約3割の増加。2019年も2月末の時点で6,368件になっており、今年はさらに増加する見込みとなっています。

テレビ番組のアンケートを装ったアポ電

2月中旬、愛知県に住む男性のもとにかかってきたのはテレビ局の職員を名乗る人物。とあるテレビ番組のアンケートだと説明した上で、自宅に現金を置いているか、資産はどれくらいあるかなどの質問をされたといいます。不審に思った男性は電話を切った後すぐにテレビ局へ問い合わせました。結果、そのような電話はしていないという返答を受け警察へ通報したとのこと。警察や金融機関を騙ってアポ電を行うケースはよく知られていますが、テレビ局を装ったケースについてはあまり知られていません。うっかり警戒を緩めてしまい、ついつい答えてしまう人も多いのではないでしょうか。

不審な電話は相手にしない

相手が誰であっても、内容に少しでも不審な点があれば安易に信用してはいけません。このようにあなた自身の意識を変えることも重要ですが、着信時に通話記録を録音していると伝える機能を電話に実装するのもアポ電対策として有効な手段。後から気付いた時でも終わったことだからと放置するのではなく、すぐに警察へ連絡しましょう。もしかするとすでに電話の主は犯行の準備を始めているかもしれません。被害に遭ってからでは遅いのです。

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