防犯のすゝめ

あなたの両親は大丈夫?高齢者を狙ったよくある詐欺手口とは

60歳以上の高齢者をターゲットにした特殊詐欺が後を絶ちません。もしかしたらあなたの身近な家族が被害に遭う可能性も。

今回は、さまざまな詐欺の中でも特に高齢者が狙われやすい2つの詐欺手口について解説します。

60代高齢者は詐欺に狙われやすい

詐欺のターゲットとなりやすいのが、60代の高齢者と言われています。さまざまな詐欺手口がありますが、特に多いのは還付金などを偽る特殊詐欺。

医療費や保険金が戻ってくると虚偽の説明をし、ATMからお金を振り込ませる「還付金詐欺」は、高齢者被害の中でも最も多いことが明らかとなっています。そのため、全国の金融機関では、ATMの限度額を引き下げる取り組みが行われています。

青森銀行では還付金詐欺に対抗するため、引き出し限度額を30万円まで引き下げました。また、青い森信用金庫と東奥信用金庫では、ATMの振込限度額を200万円から100万円に大幅引き下げしたとのこと。利用可能額を制限することで、万が一詐欺に遭っても被害を最小限に留めようという取り組みです。

さらに、各都道府県の金融機関では、高齢者が一定期間ATMを利用していないと、そもそも利用が制限されるという仕組みも導入されています。

高齢者を狙った詐欺の事例「クーリング・オフ」

高齢者が騙されやすい詐欺の一つに、クーリング・オフ詐欺が挙げられます。

クーリング・オフとは、商品を購入した後でも、契約書面を受け取った日から8日以内であれば、契約解除できる制度のことです。損害賠償金や違約金を払う必要はなく、代金は全額返金してもらえます。

クーリング・オフ制度が使える取引は「訪問販売」「電話勧誘販売」「マルチ商法」「エステ・学習塾などの契約サービス」「生命・損害保険契約」です。高齢者がよく利用するサービスが多いため、クーリング・オフ詐欺で狙われやすいと言われています。

代表的な手口は、クーリング・オフしようとしたら「違約金がかかる」「保持した期間の使用利益を請求する」と脅されて契約解除できなかったというもの。しかし一定の条件を満たせば解除できないことはありませんので、すぐに警察へ連絡するようにしてください。

高齢者を狙った詐欺の事例「催眠商法」

催眠商法とは、ある場所に人を集め、商品をタダ同然で配り盛り上げた後、気が緩んだ来場者に高額商品を売りつけるという詐欺手口のことです。SF商法とも呼ばれており、健康への不安や経済的不安を抱えた高齢者がターゲットになるケースが多いと言われています。

催眠商法詐欺は、繰り返し購入させるというのが特徴。ある被害者は約4年にわたって500万円以上もサプリメントを買わされ続けたとのこと。また他の事例では、無料商品を目当てに会場へ通い続け、磁気治療器、額縁、下着、仏具など2ヶ月間で約500万円も購入していたと言います。

催眠商法の詐欺師は、親切な言葉をかけたり、面白い話で楽しませたりといった心理的な技術で高齢者を巧みに操ります。被害者にならないためには、無料の粗品を目当てに会場へ行かないこと、老後の資金を崩してまで必要な商品かよく考えること、を意識しておいてください。

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