防犯のすゝめ

痴漢は立派な犯罪行為。政府が行う女性のための施策とは

夏になると痴漢被害が増加する傾向にあります。万が一、被害に遭った場合に備えて、あらかじめ知識をつけておきましょう。

この記事では、痴漢被害の現状と国が行う施策について紹介します。


神奈川県で痴漢防止の啓発活動

2023年6月、神奈川県警や防犯協会などが協力し、痴漢防止を呼びかける啓発活動を実施しました。毎年6月1日~15日が痴漢対策強化期間として設定されており、痴漢撲滅と検挙対策の推進を目的としています。

痴漢防止キャンペーンは地下鉄と京急の弘明寺駅構内で行われました。警察や協会の他、女性防犯連絡会や防犯指導員連絡協議会など、さまざまな団体が参加。痴漢被害への注意喚起を記したチラシや防犯ブザーなど、約240個もの啓発物を配布しました。

警察が呼びかけた対策法は「女性専用車両の利用推進」「ながら歩きの禁止」「人通りの少ない場所を避けた帰宅ルート」などです。最近では男性の痴漢被害も増えていることから「女性に限らず子どもや男性の被害も食い止める活動を積極的に実施したい。」と話しています。 


痴漢被害の現状

内閣府が行ったアンケート調査を参考に、痴漢被害の現状を紹介します。

16歳から24歳の若者を対象に実施した調査では、女性の10人に1人が「痴漢に遭ったことがある」と回答しました。また、2019年から2021年に検挙された痴漢被害のうち、全体の約77%を10代・20代の女性が占めていることも明らかとなりました。男性の被害者は全体の約3%です。性別や年齢に関わらず被害に遭う可能性があることに注意しなければなりません。

痴漢が最も発生しやすい場所は「電車」です。2017年から2019年の3年間での検挙数を見ると、半数以上が「電車内で痴漢に遭った」との結果になっています。2020年以降は電車内における被害件数が減少していますが、この理由はコロナ禍で公共交通機関の利用が減ったためであり、今後は再び増加することが懸念されています。


痴漢撲滅に向けた8つの施策

痴漢被害に対する国の施策は主に8つあります。以下、簡単に箇条書きで説明します。

1.痴漢被害の実態を公表する

検挙数の詳細な調査・分析結果を定期的に公開する

2.被害数の多い場所・時間帯などの取り締まりを強化する

捜査員を増員し、痴漢件数が多発する場所や時間を重点的に取り締まる

3.防犯アプリの推進

各自治体が発信する防犯アプリをより多くの人に利用してもらえるよう案内する

4.女性専用車両の普及

全路線導入を目指して対応を進め、定期的に普及状況などを公表する

5.各鉄道会社間での取り組みを共有する

連絡会議などにおいて、痴漢被害の現状・対策案など各鉄道会社の取り組みを公表する

6.防犯カメラ設置の推進

電車内の防犯カメラ設置を促進し、全車両に導入するよう対応を進める

7.通学路の見守りと安全教育を行う

登下校時に見守りパトロールを行う、安全に関する授業を行うといった地域ぐるみでの安全対策を実施する

8.いのちの教育を行う

痴漢被害・性犯罪などの教育を全国の学校で積極的に行う

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