子どもに「自分を守る力」を身に付けてもらうには?小学生への防犯教育について
小学校に入学すると、登下校時など子どもだけで行動することが多くなります。帰宅してから習い事をしている子も増えており、自分の身を自分で守らなければならない場面もあるでしょう。今回は、子どもに「自分を守る …
ネット詐欺の被害者は若者が最も多くなっています。その理由は「デジタルリテラシーが欠けているから」との見解も。詐欺にあわないためには十分な知識を備える必要があります。
今回はデジタルリテラシーの概要や実際の被害事例・対策方法について詳しく解説します。
アメリカの調査によると、近年のネット詐欺による被害者は高齢者よりも若者の方が多いことが明らかとなりました。2020年に被害報告された470万件のうち、70~79歳の高齢者層が約20%、20~29歳の若者層が約45%となっています。
若者の被害者が増加している理由は、「コロナ禍ネット利用時間が増えたこと」、「デジタルリテラシーが欠如していること」、「詐欺グループにとってターゲットとしやすいこと」などが挙げられます。若者のネット詐欺被害者を減らすためには、一人一人がデジタルリテラシーについての知識を養うことが重要だと言えます。
一方で被害額は高齢者の方が多い傾向にあります。一件あたりの被害額は年齢が上がるほど増加しており、 20代は約4万円、70代で約8万円、80代以上になると約15万円も被害を受けています。
デジタルリテラシーとは、インターネットを軸にデジタル情報・通信・ネットワークについての知識を持ち、パソコンやスマートフォンなどの機器やアプリを正しく利用できる能力のことです。世界的にも注目を集めている概念であり、日本でも徐々に重要視され始めています。
現代のネット社会においては、IT機器やAI技術を駆使し、膨大な情報の中から自分に必要な情報だけを抜き出す力が求められます。さらに取得した情報を正しく活用しなければなりません。このような情報過多な時代では、デジタルリテラシーを身に付けることが非常に大切です。
デジタルリテラシーを養うためには、幼少時代の教育がキーポイントとなります。子どもの頃からインターネットの知識や使い方を学ぶことで、ネット詐欺の被害を防ぐことにつながります。デジタルデバイド(情報格差)が生まれないよう、社会全体でデジタルリテラシーの重要性を認識していかなければなりません。
10代の若者がネット詐欺にあうパターンは主に「SNS詐欺」「ブランド品詐欺」「奨学金詐欺」「アルバイト詐欺」「ロマンス詐欺」の5つに分類されます。
SNS詐欺では偽サイトに誘導されマルウェアに感染したり、個人情報を盗まれたりしてしまいます。値引きされた偽ブランド品を購入させる詐欺も有名です。大学の奨学金制度を悪用し、登録料・手数料を騙し取られることもあります。アルバイト詐欺では好条件な求人で標的を集め、住所や銀行口座などを盗むとのこと。さらにロマンス詐欺では恋愛心理を利用し、高額な金銭や性的な写真を要求してきます。
詐欺被害を防ぐには、知らない人からのメッセージには返信しない、送られてきたリンクをクリックしない、簡単に稼げるといったうまい話には乗らない、奨学金の登録料は絶対に支払わない、激安のブランド品は買わない、といった基本的な対策方法を覚えておきましょう。