防犯のすゝめ

世界中で脅威となっているランサムウェア。その概要や被害例を詳しく解説します

ネット社会において、世界中で多くの被害を引き起こしているのがランサムウェアです。正しく理解して予防しておかないと多大な被害を受ける可能性があります。

今回は、ランサムウェアの詳しい情報や被害例についてお伝えしていきます。この記事でセキュリティ意識を向上させましょう。

2021年のランサムウェアに関するレポートが発表された

本社をアメリカに構える Ivantiは、2021年に発生したランサムウェアのレポートを発表しました。今回の調査では、2021年に新たに32種類ものランサムウェアが確認され、前年比26%増の合計157種類となったことが明らかとなりました。

また、ランサムウェアに関する新しい脆弱性が65件発見されたことも報告されています。この件数は前年比で29%も増加しており、2021年の総数は288件でした。新たに追加された脆弱性のうち約37%がダークウェブ上で拡大化し繰り返し悪用されていた、という驚くべき結果に。233件の古い脆弱性は、約半数がランサムウェア攻撃グループによって悪用され続けてきました。

脆弱性の新旧に関わらず、攻撃者が標的とする武器化された脆弱性の弱点を修復させることが求められています。

ランサムウェアとは何か?

ランサムウェアとは、パソコンなどのデータを暗号化し開けないようにして、身代金を要求することです。

企業のパソコンやサーバがランサムウェアに感染し、ビジネスに大きな支障が生じる事件が多発しています。ランサムウェア感染はビジネスにも影響しているのです。ランサムウェアは、パソコン内のファイルを勝手に暗号化するため、感染すれば仕事等をする上で極めて重要なファイルも人質にとられてしまいます。

最近では、個人のスマホを狙ったランサムウェアも登場しています。最悪の場合は端末を初期化しなければならず、大切なデータが失われることにもつながりかねません。特に不審なアプリのインストール要求には注意しましょう。公式ストアでもマルウェアは発見されていますが、最も注意すべきは、それ以外の場所からのインストールです。こういったアプリは、詐欺メールのリンクや、SNSの共有などでも回ってきます。システムやアプリは最新の状態を保ち、怪しいメールのリンクをクリックしたり、公式以外のウェブサイトからソフトやアプリをインストールしたりしないようにしましょう。

ランサムウェア「WannaCry」の被害例

特に大きな被害をもたらしたのが「WannaCry」というランサムウェアです。2017年5月、WannaCryを使った大規模なサイバー攻撃が行われ、百数十ヶ国の20万台以上のコンピュータが感染しました。日本でも多くの企業が標的となり、社会問題となったことは記憶に新しいでしょう。

特に、イギリスでは国民に保険サービスを提供するいくつかの団体で端末が利用できなくなり、医療機関においても診療ができなくなったり、予定されていた手術ができなくなった事例もありました。また、ある大手自動車メーカーでは、工場内の端末がWannaCryの亜種に感染し、生産が一時中断するといった影響が出ていました。

WannaCryに感染すると、ビットコインの支払いを求める画面がパソコン上に表示されます。身代金の金額は当初300ドル(約3.3万円)でしたが、その後2倍近くにまで引き上げられました。

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