防犯のすゝめ

特殊詐欺の被害者は20~30代で急増!騙されないために注意すべきこと

特殊詐欺というと、被害者の多くは高齢者というイメージを持っている方も多いでしょう。しかし、現在は20~30代という若い世代で特殊詐欺の被害に遭っている方が急増しています。なぜ、特殊詐欺の被害が20~30代で増えているのでしょうか?今回は、若者を狙った実際の特殊詐欺事例や、若者が特殊詐欺で騙されないために注意すべきことを解説します。


特殊詐欺の被害が20~30代で増えている

令和6年12月時点で特殊詐欺は認知件数が2万件以上、被害額は約721億円以上にも上っており、統計のある2004年以降で最多だった2014年の約565億円を大幅に上回り、過去最悪の被害額となっています。特殊詐欺被害というと高齢者が中心でしたが、近年は20~30代で被害に遭う人も増えています。

・特殊詐欺被害者の年代別推移

特殊詐欺被害者の年代別推移をみると、2021年~2023年まで65歳以上が90%以上を占めていました。しかし、2024年から65歳未満の被害者が増え始め、2025年の1~5月までで65歳未満の被害者が50%以上を超え、65歳以上よりも多くなっています。そのうち、20~30代も約20%にまで増加しており、若い世代で特殊非詐欺被害者が増えていることがわかります。

・特殊詐欺の情報を得ていない20~30代は6割以上も

20~30代で特殊詐欺被害者が増えているものの、詐欺や不審な電話などに関する情報については得られていない人が多いようです。トビラシステムズ株式会社が実施した詐欺電話に関するアンケート調査では、詐欺に関して「特に情報を得ていない」と答えた人の割合が20代で37.8%、30代で28.0%と、合計65.8%という結果が出ています。この結果から、若者はSNSを中心に情報収集を行っていますが、興味のない情報はほとんど収集していない可能性が考えられます。


若者を狙った実際の特殊詐欺事例

実際に若者を狙った特殊詐欺は発生しています。どのようなやり方でお金を騙し取っているのか、その手口についても知っておきましょう。

・被害者から容疑者として扱われた事例

千葉県で発生した事例では、20代の女性が特殊詐欺の被害に遭っています。女性の元に突然「信用情報機関」の職員を名乗る男性から電話があり、LINE通話に誘導されました。最初は被害者として話を聞いていましたが、途中で警察官・検察官を名乗る男性たちから「国際マネロン詐欺事件の主犯格の自宅から、あなたのキャッシュカードが見つかった」などと言われ、容疑者として疑われてしまいます。その中で「不正利用で得たお金がないか調べるために指定口座に預けてほしい」と言われ、ネットバンキングなどから複数回にわたり、合計510万円を振り込んでしまいました。

・ビデオ通話による取り調べで騙された事例

宮城県内の大学に通う20代の大学生も被害に遭っています。突然兵庫県警を名乗る人物から電話があり、「あなたのクレジットカードが詐欺グループのところから発見された」と言われます。大学生はクレジットカードを作っておらず、心当たりがないと訴えましたが、「実際にあなた宛てにお金を振り込み、詐欺にあったという訴えがある」と言われてしまいます。その後、警察官を名乗る人物はアプリのビデオ通話で取り調べを始め、警察手帳や逮捕状を示してきました。最終的に、無実を証明するために指定口座に現金を振り込むよう要求され、約34万円を騙し取られてしまいます。

・SNSで知り合った相手に現金を詐取された事例

石川県内に住む20代の女性は、マッチングアプリで知り合った男性とメッセージのやり取りをする中で、男性から「一緒に住もう」などと言われるようになり、女性も恋愛感情を抱くようになります。すると、男性は「財布を落としたが不動産関係の支払いがあるため、50万円を貸してほしい」「知り合いから大金を借りて訴えられてしまった」など、様々な理由をつけて現金を求めるようになり、約3ヶ月間で合計1,300万円も送金してしまいました。


若者が特殊詐欺で騙されないために注意すべきこと

20~30代で被害が増えている特殊詐欺ですが、騙されないためにはどのようなことに注意すべきなのでしょうか?事前にできる対策も含めて解説します。

・国際電話番号・非通知の着信を拒否する

電話がかかってくると、画面に電話番号が表示されますが、その先頭についている+以降の数字が「+81」以外の場合、海外からかかってきていることになります。海外から電話がかかってくる用事がない、そのような知り合いはいないという場合、詐欺の可能性が高いので電話に出ないようにしましょう。

国際電話番号からの着信は、国際電話不取扱受付センターに問い合わせることで利用を休止させることが可能です。着信をブロックしても別の国際電話番号からかかってくる場合は、国際電話の利用休止申請を行いましょう。

・アプリを活用する

特殊詐欺被害の防止には、詐欺につながるような危険な電話がかかってこないようにすることが大切です。そのためには、アプリの活用も検討してみましょう。例えば迷惑情報を元に危険な情報を自動検知し、フィルタリングしてくれるアプリがあります。また、電話番号だけでなく、SMSも自動検知してブロックしてくれるアプリなども役立ちます。

・不審な電話がかかってきたら警察などに相談する

事例でも紹介したように、若者を狙った特殊詐欺では警察官を騙っている場合もあります。もし警察官や検察官などの名乗る人物から不審な電話がかかってきたら、警察に相談することも検討してみましょう。警察相談専用窓口は「#9110」になります。#9110を利用すると、相談内容に応じて関係部署と連携し、指導やアドバイス、相手に対する警告や検挙など、不安を解消するために必要な措置を講じてくれます。

今回紹介したように、近年は20~30代の若者を狙った特殊詐欺被害が増えています。「自分は騙されないだろう」と考えていても、いざ電話がかかってきた際には焦ってしまい、冷静な判断ができなくなるものです。騙されないようにするためにも、定期的に情報を収集し、被害に遭わないための対策を講じるようにしましょう。

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