防犯のすゝめ

相次ぐ農作物の盗難被害…防犯カメラでの対策は有効?

近年、農作物を狙った盗難被害が多発しています。これは動物によるものではなく、何者かによって意図的に盗まれたものです。2025年6月の時点でわかっているだけで山梨県、茨城県、京都府などで大きな被害が出ました。山梨県では高級果物のシャインマスカット、茨城県では梨、京都府では九条ネギが被害に遭い、総額にすると数千万円規模に及びます。そこで、防犯カメラでの対策など、盗難対策で有効な手段について解説します。


実際に発生した農作物の盗難被害事例

まず、実際に起こった盗難被害の事例を詳しく見ていきましょう。

・新潟県での事例

新潟県新潟市南区では、人気の高級果物シャインマスカットが被害に遭いました。盗まれたのは果樹園のシャインマスカットで、時価約22,500円相当の被害額に及んでいます。警察に被害届を提出後、再度シャインマスカットが盗まれる被害も出てしまいました。さらに、同じ時期に同じ地域でもブルーベリーが約10㎏盗まれるなどの被害が相次ぎました。

・福島県での事例

福島県では、フルーツライン沿いの観光果樹園で複数回に渡って被害に遭っています。盗まれたのは収穫前の巨峰で、最初は4房だったものが一度に20房盗まれるなどしたそうです。防犯対策としてネットで囲うなどの対策をしていたようですが、結果的に計約50房が盗まれました。


農作物の盗難対策で有効な手段

農作物の盗難対策として有効な手段はあるのでしょうか?ここでは、おすすめの盗難対策をご紹介します。

・防犯カメラ

農作物を守るためには、園地に侵入できないような対策を取りましょう。例えば園地に防犯カメラの設置、柵の設置、センサーライトの視覚を作らないように意識して設置してみてください。現在は、24時間機械警備可能な防犯カメラもあり、警備会社との連携で監視カメラにセンサーとスピーカーを内蔵したタイプもあります。この防犯カメラに変えると、遠隔で画像、音声による監視が可能です。防犯カメラ設置後は「防犯カメラ設置」と掲示すれば、不審者の侵入の抑制にもなります。

・センサーライト

防犯カメラと同様に活用したいのがセンサーライトです。センサーライトは、人の動きをキャッチして自動的にライトを点灯させる機能があります。夜間であれば、不審者を感知してライトを一定時間照らせるので侵入者に対して大きなプレッシャーを与えられますが、天気の影響によって検知機能の低下を起こす可能性もあります。現在、高精度の検知ができるレーザーセンサーの導入により、屋外警備に適したライトもあるので、性能の良いセンサーの導入により、広域なエリアで警備ができます。

・フェンス・柵

果物や野菜などの盗難にはフェンスも有効です。フェンスは、物理的に侵入しにくいので、センサーライトと同じように害獣の侵入も防げます。できるだけ入られないようにするには、フェンスを高さのあるものに変えると突破されにくいです。

・看板

周囲に防犯カメラなどの存在を知らせるための看板や、のぼりなどの設置も防犯対策に役立ちます。防犯カメラ設置の有無に関わらず、「防犯カメラ設置中」の看板だけでも抑止効果が期待できます。また、「立入禁止」や「農薬散布後」などの看板なども侵入対策に有効です。


農作物の盗難被害は地域での対策も必要!

農作物の盗難被害は、果物や野菜を育てている地域では毎年のように問題になっています。そこで、農作物の盗難被害抑止のために地域ぐるみなどで行っている対策もあるのです。具体的な方法や事例について解説します。

・注意喚起と生産者の情報共有

農作物の盗難に関しては、生産者と注意喚起の内容について情報を共有すると良いでしょう。できるだけ被害に遭わないように生産者同士で情報を共有して発信できるように取り組み、同時に注意喚起の情報発信などを行うのがおすすめです。生産者が取り組んでいる具体的な盗難対策を記載して、地域の人の目でも守ってもらうことを意識すると抑止力が高まります。

・JAも対策を講じるところが増えている

JA自身も地域の果樹園を守るための対策に取り組む機会が増えてきました。JAあいちでは桃部会、梨部会、警察で構成している「猿投地区果樹保護プロジェクト」を結成しました。JAも事務局として参加し、盗難対策の情報の連携や対策を取っています。果樹園の巡回などで、地域農業の活性化を図る目的です。

大切に育てた農作物が収穫直前に盗まれる事件が多く発生しています。このような事件は年々増加しているものの、犯人の検挙率は高いわけではありません。そのため、農作物を守るためには防犯カメラやセンサーライトの活用に加えて、フェンスや看板などで注意喚起を行うようにしましょう。周囲の生産者と警察、JAなどと協力して防犯パトロールなどを行うことも抑止力となります。様々な防犯に関しての取り組みを行い、窃盗被害に遭わないようにしましょう。

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