防犯のすゝめ

飲食店がターゲット!「ドタキャン詐欺」の手口とは?

詐欺手口が巧妙化していく中で、近年は飲食店をターゲットにした「ドタキャン詐欺」が横行しています。こういった詐欺に騙されないためには、どのような手口で騙してくるのかを知っておくことも大切です。そこで今回は、飲食店をターゲットにしたドタキャン詐欺の手口と騙されてしまう要因、さらに騙されないためのポイントを解説します。飲食店を経営されている方は、ぜひ参考にしてください。


ドタキャン詐欺の手口を実例で紹介

飲食店で発生しているドタキャン詐欺とは、具体的にどのような手口なのでしょうか?ここでは、各地域で発生したドタキャン詐欺の実例を紹介します。

・富山県での事例

富山県内にある飲食店では、最初に6人で予約したいという連絡が入り、さらにLINEでメニューのやり取りをしたいと言われます。翌日の18時から予約が入ったのですが、当日の15時に連絡があり、LINEで「ワインを用意してほしい」と頼まれました。しかも頼まれたワインは1本24万円の高級ワインで、4本も指定があったのです。店にはそのような高級ワインの在庫がありませんでしたが、客から「酒販店を紹介するからそこで仕入れてほしい」と言われ、仕込みに忙しかった店主はそのまま代金を振り込んでしまいました。結局予約時間になっても6人は現れず、ワインも届かなかったのです。

・佐賀県での事例

同じく佐賀県内でも富山県での事例と似たような形で、ドタキャン詐欺が発生しています。佐賀県のレストランでも6人で予約したいという連絡があり、同じ流れでLINEに誘導され、高級コースの予約と100万円分のワインの仕入れが要求されました。しかし、店長が「ワインは自分で購入してほしい」と断ります。ワイン代の被害はなかったものの、予約時間になっても客は現れなかったため、ドタキャンされた高級コース分の被害は発生してしまいました。

・沖縄県での事例

沖縄県で発生したドタキャン詐欺では、飲食店に男性から「4人で利用したい」という予約の電話が入り、従業員をLINEに誘導してお酒の持ち込みは可能か確認してきました。さらに男性は「飲みたいシャンパンを準備できなかった」と電話をかけ、酒販店を紹介し「代金を口座に振り込むから至急取り揃えてほしい」と依頼してきます。しかも店に購入代金を送金したと見せかける、偽の振り込み履歴の画像も送付され、信じてしまった従業員は紹介された酒販店から高級シャンパン3本を購入し、約100万円を振り込んでしまいました。さらに、お土産用の高級シャンパンの購入代金250万円も追加で振り込んでしまいます。


ドタキャン詐欺に騙される要因

飲食店がドタキャン詐欺に騙されてしまう要因として、以下3つの理由が考えられます。

・期限間近ですぐに対応させようとする

1つ目の理由として、期限間近で連絡し、すぐに対応させようとすることが挙げられます。富山県の事例でも予約の3時間前にワインを準備してほしいという連絡が来ました。時間を制限させることで判断力を鈍らせ、詐欺と疑わせないようにしているのです。

・後でお金は戻ってくると思い込ませている

支払ったお金は後で戻ってくると思い込ませていることも、騙される要因の一つと言えます。飲食代金として追加で請求すれば問題ないと考えてしまうためです。加えて、紹介した事例のようにLINEに誘導され、事前に何度かやり取りがあり、一定の関係性が構築されていたのも相手を信頼してしまう原因となっています。

・実際に頼まれるケースがある

飲食店では実際に客からの指定があり、本来在庫にはないものを仕入れるケースも少なくありません。仕入れ自体はいつも取引しているところを利用すれば問題ありませんが、急に対応できないところも多いです。そのため、指定された店で購入してしまい、詐欺被害に遭ってしまうのです。


飲食店がドタキャン詐欺に騙されないためのポイント

ドタキャン詐欺に騙されないためには、以下のポイントを押さえておくことが大切です。

・常連以外からの要求には対応しない

実際に客からの指定に対応する飲食店も多いでしょう。しかし、騙されないようにするためには、そもそも要求に応じないことが重要となります。例えば身元が分かる常連から要求があった場合は対応し、初めて利用する人からの要求には対応しないと決めておくと良いでしょう。

・連絡先の切り替え要求に応じない

初めて店を利用する客から予約が入るだけでなく、LINEで連絡を取り合おうとするのは違和感のある行動です。基本的にドタキャン詐欺では最初の連絡は電話でも、途中でLINEでのやり取りに切り替えてこようとします。なぜなら、LINEは匿名性が高く、警察による追跡・身元の特定を困難にするためです。そのため、連絡先をLINEに切り替えようとしてくる時点で詐欺の可能性があると考え、応じないようにしましょう。

・本人確認・事前入金を求める

もし怪しい電話がかかってきて、高額なお酒などの仕入れ要求をされた場合、本人確認や事前入金を求めるようにしましょう。ただし、沖縄県での事例で偽の振り込み画像が送付されることもあるため、その画像だけを信用せずきちんと口座に入金されているかチェックすることが大切です。

ドタキャン詐欺は飲食店が準備で忙しく、突然の要求に冷静な判断ができなくなってしまうこと、お客様に喜んでほしいという飲食店側の善意を踏みにじる悪質な犯罪です。店長だけでなく従業員にも情報を共有し、騙されないように防犯意識を高めましょう。

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