防犯のすゝめ

世界でクローン音声詐欺が多発中。AIを悪用した犯罪や対策方法を紹介します

AIを使って音声クローンを作成し、詐欺に悪用している事件が世界中で発生しています。10人に1人は被害に遭うという現状に注意しなければなりません。

この記事ではAIクローン音声詐欺の効果的な対策法とAIに関連した詐欺の種類を紹介します。


10人に1人がクローン音声詐欺の被害者に

マカフィー株式会社によると、日本やアメリカなど世界の主要7ヵ国を対象に行った調査では、成人の約10人に1人が音声クローン詐欺に遭っていることが明らかとなりました。

具体的には、「自分が詐欺被害に遭った」のは10%、「知人が詐欺被害に遭った」のは15%という結果でした。そのうち77%が金銭に絡む被害を受けています。また、回答者の70%は本物とクローンの区別ができないと回答しており、AI技術の進歩へ不安を示しています。

手口としては、AI技術を使って家族や友人のクローン音声を作成し、金銭を要求するボイスメッセージを送るというもの。最近では対話できる技術も進んでいるため、電話による手口も増加しているとのことです。

日本ではまだ被害数は少ないものの、今後は国内で広まっていく可能性もあります。調査担当者は「世界の現状を把握し、今のうちに対策法を学んでほしい」と話しています。


音声詐欺への対策方法

音声クローン詐欺を未然に防ぐには、以下4つの対策が効果的です。

・合言葉を決めておく

家族や友人など親しい人とは、その間柄でしか通じない「合言葉」を決めておくと良いでしょう。特にお金の話題になった場合は、必ず合言葉で相手が本物かどうかをチェックしてください。合言葉は家族用・友人用など複数に分けておくのもおすすめです。

・知らない番号を疑う

身に覚えのない番号からの電話やメッセージは受け取らないようにしましょう。また、知っている番号でも、送金を要求してくるような内容であればすぐに電話を切り、家族や警察に相談するようにしてください。

・SNSでむやみに共有しない

InstagramやTwitterなど不特定多数の人が閲覧できるような場では、むやみやたらにクリックやシェアしないようにしましょう。自分の情報を共有する頻度が多いほど、クローン音声に悪用される確率が高まります。

・個人情報の管理を徹底する

氏名や住所など個人を特定する情報の流出に注意しましょう。アクセス制限をかけたり、ダークウェブの通知設定をしたりするのがおすすめです。


AIを悪用した犯罪の種類

現在、AIを悪用した詐欺は複数あり、危険度の高さによってランク別に分けられます。

危険レベルが高いのは、ディープフェイクを用いた虚偽ニュース、本物との見分けが困難な高度なフィッシング詐欺などです。また、自動運転が実用化された場合、無人運転車が犯罪に悪用されるケースも予想されます。

次に危険度が高いのは、AIをうたい文句にした虚偽サービスの提供やサイバー攻撃、軍用ロボットの悪用やデータベースの操作などがあげられました。また、金融や株式市場を操作される可能性もあります。

現時点で危険度はそれほど高くないものの、今後の脅威が想定されるものは、窃盗ロボット、AIによる偽レビュー、コンテンツの偽造といった犯罪です。

普段からどのような詐欺が発生しているか、情報を積極的に収集しておくことが自衛につながります。

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