自治会・町内会で防犯カメラを設置するメリットとは?
近年、安心した街づくりの一環として自治会や町内会で防犯カメラの設置を行うところもあります。ここでは、自治会・町内会で防犯カメラを設置するメリットについて解説します。 自治会・町内会は地域防犯の役割も担 …
日本の寺院が世界遺産に登録されるのは名誉なことです。しかしそんな中、全国各地の著名寺院で拝観料の値上げが目立ってきているといいます。その背景には、いたずらなどの被害に備えた、防犯費の増加があるようです。
有名な寺院には、全国各地にとどまらず、いまや世界各国から参拝客が訪れます。しかし多くの参拝客が訪れるようになり、文化財や建造物がダメージを受けやすくもなっているようです。もともと、歴史の長い建造物は維持費や修繕費に費用がかかるため、最近の拝観料値上げは従来からの維持費にも関係している可能性があります。
もう一つ、拝観料値上げの背景といわれているのは、防犯費の増加です。著名寺院での落書きや液体まきなどは、近年になってニュースを騒がせることが増えてきました。神様や仏様がいる寺院にいたずらをするなど本来では考えがたいことですが、理由はともあれ修繕をせずにおくわけにもいきません。そこで、新たなトラブルを起こさないように防犯にも力を入れなければならなくなっているのです。参拝客にとっては拝観料の値上げは痛いところですが、貴重な文化財を後世に残すために理解してもらいたいというのが寺院側の考えのようです。
古くから全国各地よりご利益を求めて参拝客が訪れるお寺だった、長野市の善光寺。ここにも、100ヶ所以上の落書きが発見されたことがニュースとなりました。善光寺は24時間いつでも参拝できる寺院として歴史的にも有名ですが、そのスキを突いたいたずらに警備や職員で巡回強化の必要性を寺院側は迫られています。
実は、善行寺での落書きは今回が初めてではありません。以前にも落書き事件が発生し、防犯カメラを設置した直後の落書きが今回の事件だったのです。落書きが発覚したのは、国宝の本堂や重要文化財の経蔵など。防犯カメラの映像などをもとに警察が捜査し、長野市内の40代の女性が建造物損壊、文化財保護法違反などの容疑で警察に逮捕されました。
年間600万人もの参拝客が訪れる寺院は、創建が1400年前という日本の大切な歴史的遺産です。自宅が見知らぬ人に落書きされるのが不快なことと同じように、心ないいたずらはなくなってほしいものです。こうした犯罪を未然に防ぐためには、防犯カメラによる対策などが欠かせません。
奈良県には、唐招提寺や薬師寺などをはじめ、文化財が数多く遺されています。奈良県警では、文化財保護強化週間に地元の女子学生を一日文化財保安官に任命し、著名寺院を訪問しました。
唐招提寺では、防犯カメラを30ヶ所以上に設置して夜間の警備まで行っています。万が一の消火設備は、景観に配慮して設置しているそうです。一方、薬師寺では参拝客に声かけをすることで防犯対策をしているといいます。積極的な声かけは、著名寺院の防犯対策に限らず一般地域でも効果があるといわれているため、取り入れていきたいものです。
これまでなら防犯対策などする必要がなかった場所にまで対策をしなければならなくなったのは、日本の治安がおびやかされつつあるということです。地域の人たちで協力しながら声かけを促す、防犯カメラを使って対策するなど、あらゆる方法を取り入れて、みんなで文化財を守っていく必要があるでしょう。