防犯のすゝめ

切れ込みを入れたから安心?手交型詐欺がさらに進化している

警察や自治体職員を騙り、カード類を騙し取る手交型詐欺。手口が広く知られるようになったからか、詐欺師たちはさらに巧妙な手口を生み出しました。
あなたのカードも詐欺師たちに狙われているかもしれません。

警察官を騙りキャッシュカードを騙し取る事件

8月13日、京都府警は京都市内に住む80代の女性がキャッシュカードを騙し取られ、現金140万円の被害に遭ったと発表しました。警察の発表によると、犯人は警察を名乗り「あなたのキャッシュカードが不正利用されている」などと電話したといいます。その後、女性の家に警察のふりをした詐欺師が現れ、被害者からカードを受け取りました。
犯人は女性の前でカードに切れ込みを入れ、カードが使えなくなったかのように装っていました。カードに切れ込みを入れたとしても、ICチップに傷がついていなければ問題なく使えてしまいます。

キャッシュカードに切れ込みを入れ、安心させる手口が急増

キャッシュカードを騙し取る詐欺が増えている影響で、詐欺に対して用心深くなる人が増えています。今回紹介した詐欺は、そんな用心深さを逆手にとりターゲットを安心させる巧妙なトリックとなっています。
同様の手口による詐欺被害は増加傾向にあり、都内では1月から8月にかけて約200件の被害がありました。被害総額は約4億円にもなるとされています。
狙われているのはキャッシュカードだけではありません。クレジットカードでも同様の被害が発生しており、気づかないうちにカードを使い込まれていたという事件も起きているのです。
警察はカードを回収しに家に行くことはありませんし、切れ込みを入れることもありません。何か怪しいと感じた際は迷わず110番に電話し、本物の警察の判断を仰ぎましょう。

カードを狙う犯罪は他にも

8月、警視庁は不正に入手したクレジットカードを使っていた男女2人を逮捕しました。犯人は中国の詐欺グループのメンバーで、ノートパソコンなど数百万円購入していたといいます。犯人たちはカード会員向けのWebサイトで住所などの情報を書き換え、カード会社から送られてきたものを利用していました。
どれだけ気をつけていても、クレジットカードの情報が盗まれてしまうことは十分あり得ます。被害を防ぐためには日頃からクレジットカードの利用明細をチェックし、身に覚えがない履歴があればすぐにカード会社へ確認することが重要です。被害にすぐ気づくことができれば、カードに付帯した保険を使って全額補償してもらえます。

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