自治会・町内会で防犯カメラを設置するメリットとは?
近年、安心した街づくりの一環として自治会や町内会で防犯カメラの設置を行うところもあります。ここでは、自治会・町内会で防犯カメラを設置するメリットについて解説します。 自治会・町内会は地域防犯の役割も担 …
もし、これから起こる犯罪があらかじめ分かるとしたら?さらに加害者や被害者までもが分かるとしたら?当然ながら犯罪の件数は激減するでしょう。そんなことはアニメやSFの世界でしかありえない話だろうと思うかもしれませんが、もしかすると将来的に犯罪予測が可能になるかもしれないというニュースがあります。
イギリス警察はこれまでの捜査の常識を覆すようなテストを実施しました。そこで用いられたのが冒頭で取り上げた、人工知能を利用して事件の発生を予測するシステム。これまで警察が集めた国中のデータを利用し、加害者や被害者すらも予測することができるとのことです。予測にあたっては1,000以上の指標が使われています。指標の例としては過去の犯罪歴や人間関係など。これをもとにAIによって危険スコアが与えられ、事件の発生を予測することができるようになります。
まるでアニメの設定だと感じるでしょうが、実際に『PSYCHO-PASS』というアニメでは今回の犯罪予測が現実になったような世界が舞台になっています。事実は小説より奇なりといいますが、このまま技術が進歩していけばアニメの設定を超えるような世界になることもあり得ない話ではないでしょう。
今回イギリス警察が導入した犯罪予測システムはあくまで事件発生を未然に防ぐのが目的。危険スコアが高いからといって罪を犯す前に逮捕するというわけではありません。そもそも、ここ数年でAI技術のレベルが格段に上がっているとはいえまだまだ完璧には程遠い状態。顔認証ですら正確性は98%程度に落ち着くだろうといわれています。犯罪予測となるとさらにシステムは複雑になるため、的中率はさらに下がるでしょう。犯罪予測システムに頼りすぎてしまうと冤罪が続出することになります。
先ほども説明したように、イギリス警察は危険スコアが高いからといって逮捕することはないと発表しています。とはいえ警察で管理している危険スコアが何らかの理由で漏洩すると、危険スコアの高かった人が偏見の目で見られる可能性があります。AIによって捜査が効率的になるのは素晴らしいことですが、警察には情報の厳重な管理が求められるでしょう。
AIが捜査に導入されるテストが行われたとはいえ、アニメ『PSYCHO-PASS』のような世界になると考えるのはまだ少し気が早いというもの。AIはあくまで補助的なツールでしかありません。
ただ、これはあくまで今の段階の話。ここ10年ほどでインターネットやAI技術が様変わりしたように、10年後には現時点で誰も想像できないような新技術が生まれている可能性も否定はできません。実際の捜査で満足に使えるレベルには至らないかもしれませんが、新しいシステムが生み出されるたびに現行の制度と照らし合わせ、有効活用する方法がないか試行錯誤していくことが望まれます。