防犯のすゝめ

全国各地で詐欺被害が増加中。予兆電話への対策と固定電話の見直しを紹介します

巧妙な手口の詐欺が日本中で後を絶ちません。詐欺発生の入口は「電話」であるケースが多く、固定電話には特に注意が必要です。

今回は予兆電話に対する正しい対処方法と、固定電話の見直しについて解説します。

北海道の特殊詐欺被害が過去最多

2022年1月~10月に北海道で発生した特殊詐欺件数が過去最多を記録し、被害額は約11億3,800万円であったことが明らかとなりました。

警察の調べによると、昨年は107件だったのに対し、今年は10月末時点で253件が報告されており、約2倍のペースで増加しているとのことです。また、被害額の増加率はさらに大きく、昨年の5倍以上にもなっています。

被害のなかでも特殊詐欺につながる「予兆電話」の手口が多く、高齢者が狙われやすい傾向です。医療費の還付金詐欺、息子を装ったオレオレ詐欺、老人ホーム入居権獲得の架空請求詐欺、など予兆電話から発生する詐欺が頻繁に報告されています。最悪のケースでは、1件で4,000万円以上を騙し取られたという被害例もあります。

電話で金銭を要求された場合は、些細なことでもすぐに警察へ相談するようにしましょう。 

予兆電話の例と適切な対応方法

特殊詐欺の予兆電話は、市や金融機関の職員を名乗る人物からかかってきます。実際にあった被害例を具体的に紹介します。

1.市役所の健康保険課を名乗る者から「還付金の手続き期限が近づいているので、振込先の口座を教えてください」と電話がかかってきた。

2.本物だと思った被害者が「○○銀行に口座があります」と回答した。

3.電話口の犯人が「では○○銀行の担当者から後ほど電話をかけさせます」と言い、いったん電話を切る。

4.数分後、○○銀行の担当者を名乗る人物が「口座番号を教えてくれたらすぐ振り込みます」と伝える。

5.人気のないATMに誘導し、携帯電話で操作方法を指示してその通りに操作させる。

6.電話で言われるままに操作していると、相手口座に振り込みが完了していた。

自分は騙されないと思い込んでいても、実際に電話がかかってくると焦ってしまうものです。被害者のほとんどは「まさか自分が被害を受けるとは思っていなかった」と話しています。

電話がかかってきたら、相手の言ったことを細かくメモし、最寄りの警察に連絡してください。名前、所属、会社名、用件などをできるだけ詳細に聞き出します。特殊詐欺の専用窓口は、「電話局番なし#9110」です。

特殊詐欺の入口である固定電話を見直そう

特殊詐欺の多くは、自宅の固定電話をきっかけに発生しています。被害を未然に防ぐには、電話機の防犯機能を活用することをおすすめします。

まずは、防犯機能付きの電話機に切り替えることを検討してみてください。最近は高性能の機種も販売されており、電話を悪用した詐欺に有効です。「通話内容を録音します」といったメッセージが流れ、通話中のすべての音声を録音してくれます。自治体によっては無料貸し出しも行われており、被害を抑制できたという検証結果も出ています。

また、在宅中であっても常に留守番電話を設定しておくと安心です。留守電にすることで考える猶予ができるので、落ち着いて対応しやすくなります。

このように、固定電話を見直すことで詐欺を防ぐ一歩につながります。住んでいる地域によっては防犯機能付き固定電話を貸し出している場合もありますので、一度市のホームページなどで確認してみてください。

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