自治会・町内会で防犯カメラを設置するメリットとは?
近年、安心した街づくりの一環として自治会や町内会で防犯カメラの設置を行うところもあります。ここでは、自治会・町内会で防犯カメラを設置するメリットについて解説します。 自治会・町内会は地域防犯の役割も担 …
世界中で実験が進む犯罪予測システムですが、その評価はこれまで高くありませんでした。アメリカではその信頼性について批判の声があったことも事実です。しかし、犯罪予測システムの導入によって、シカゴ市警では凶悪な犯罪が3割減少したというデータが話題になっています。批判の多かった犯罪抑止システムですが、直近ではどのような状況なのでしょうか。
シカゴ市警が試験運用しているシステムはHunchlab(Azavea社)です。シカゴ・サウスサイドで試験運用した結果、殺人事件が33%、発砲事件に至っては39% も減少しました。シカゴ全域では事件の発生率が増えていると考えると、犯罪の抑止効果があると考えてよいでしょう。
Hunchlabは季節や時間、過去の犯罪データなど、さまざまな条件をデータベースに蓄積し、どのような条件下で犯罪が起きるかを予測します。警察がすべきことは、Hunchlabが導き出したデータに合わせたパトロール活動や警戒態勢の準備をするだけです。警察がパトロールしていることで、凶悪犯罪を思いとどまる人もいるのだと考えられます。
なお、過去にシカゴ市警が導入した犯罪予測システムは、リストアップした人物をターゲットにするものでした。しかし、リストアップした人物が犯罪に関与していることに有意差を認められず、失敗したという歴史もあるようです。
日本国内においても、2016年10月より犯罪予測システムが運用されています。京都府警はおよそ10万件のビッグデータを活用し、ひったくりや性犯罪への対策を開始しました。本システムは、発生した犯罪情報を常にデータベース化し、アップデートしながら犯罪の予測エリアを立てる仕組みです。過去5年から10年分の記録を集計し、最終的な分析は人間が行っていると言います。
京都府警がビッグデータを活用することで、今までよりもパトロールの質が上がると期待されています。運用開始から半年で数件程度ではありますが、 犯罪の発生が予測されるエリアを中心に見回りし、未然に検挙できた事件もありました。犯罪が発生する時間やエリアは傾向があると考えられるため、システム導入によって有効なパトロールができるようになるでしょう。
批判の声も多かった犯罪予測システムですが、最近は犯罪抑止につながったというニュースも多いです。順調に犯罪抑止の事例が増えることで、その評価も見直されるのではないでしょうか。今後も犯罪予測システムの運用結果に期待大です。