自治会・町内会で防犯カメラを設置するメリットとは?
近年、安心した街づくりの一環として自治会や町内会で防犯カメラの設置を行うところもあります。ここでは、自治会・町内会で防犯カメラを設置するメリットについて解説します。 自治会・町内会は地域防犯の役割も担 …
今年6月に民泊新法が成立し、今後の流れが注目を集める民泊。旅行の活性化が期待される一方、京都市の民泊対策プロジェクトチームが設置した専門窓口には1年間(2016年7月~2017年6月)で1,442件 もの通報がありました。犯罪の温床とも呼ばれますが、どのようなリスクがあるのでしょうか。
犯罪グループが民泊で借りた住宅を拠点として悪用し、さまざまな犯罪を行う事例が目立ちます。たとえば、今年の4月には台湾の犯罪グループが東京都新宿区のマンションに民泊し、偽造したキャッシュカードを使い、ATMからお金を不正に引き出すという事件がありました。
民泊で借りた東京都目黒区のマンションを使い、覚せい剤の密輸を行っていた事件もあります。マンションには配送業者からの不在票が届くため、覚せい剤使用者が不在票を回収し、自宅に転送させるという手口だったようです。なお、この事件は民泊を悪用した事件であることに加え、人気ロックバンドも手掛ける音楽プロデューサーが関与していたこともあって話題になりました。
民泊の物件が犯罪の温床の対象になる原因は、利用者の身元確認の甘さと言えます。現状、民泊サービスを利用するときは身元確認が義務付けられておらず、誰でも手軽に借りられることが問題のようです。
民泊の身元確認の甘さは、民泊サービスおよび国家レベルで抱える課題です。それぞれの立場から、どのような対策が行われているかをご紹介します。
宿泊施設・民宿を貸し出す人向けのウェブサイトAirbnbでは、民泊の不正取引対策を強化する方針です。2017年6月には、身元確認サービスの「Trooly」を買収すると発表しました。Airbnbのシステムを使い、宿泊客とホストの裏取引をはじめとした顧客のルール違反を追跡できるようになります。
また、国土交通省と厚生労働省では、対面確認またはテレビ電話、ホテルや旅館のフロントを利用した身元確認代行も行うようなルール制定を設けました。治安に大きな影響を与える犯罪も含めて抑止ができる見込みです。
ただし、民泊の提供者側のリテラシーも問われています。民泊を提供する側も正式な登録手続きが必要ですが、正規登録が行われていないことも問題視されている状況です。民泊が犯罪の温床にならないよう、各々の努力が必要と言えます。
利用者の身元確認の徹底によって、民泊物件を利用した犯罪は大幅に減少するはずです。利用者および提供者のどちらも高い意識を持ち、双方の身元確認によって、民泊が犯罪の温床になってしまうことを防ぐように努めましょう。