防犯のすゝめ

架空人物が金融詐欺を働く時代が到来!?

映画史を代表する映画、『ショーシャンクの空に』内で主人公が架空人物を作り上げ、金融機関その他個人情報をねつ造するシーンがありました。近年、本当に架空人物を作って金融詐欺を働く事件がアメリカで起きているようです。

メディアで騒がれる合成ID詐欺

アメリカはID社会です。一人ひとりの信用能力(クレジットスコア)は社会保障番号と紐づいていて、スコアをもとに住宅ローンやカーローンの審査可否を決めたり、クレジットカードの申し込みを受け入れたりします。

犯罪集団の手口を見てみましょう。まずは実在人物の社会保障番号を入手し、架空の名前や住所などを合成します。実在しない「彼」に、審査基準が緩い少額のクレジットカードやデビットカードを作らせ、お金を借りては返済を繰り返させます。これによって、彼のクレジットスコアが育つのです。

彼のクレジットスコアが育ったら、限度額が大きなクレジットカードや自動車ローンの申請をします。日本よりもクレジットスコアに重きを置くアメリカでは、反対に個人情報を重視していません。無事にローン審査を通過した彼は、限度額いっぱいまでカードを使ったり頭金だけで新車を手に入れたりするのです。

当然、詐欺が目的ですからローンの返済は行われません。ローン会社は彼に督促状を送りますが、架空の住所に督促状が届かず、初めてローン会社が怪しいと気付きます。そこで、社会保障番号を辿った結果、架空人物を使った詐欺であることが発覚するのです。

マイナンバー制度導入は合成ID詐欺増加の序章!?

アメリカで架空ID詐欺が増加したと考えられるのは2015年以降です。今後さらに被害額は増加するのではないかと言われています。ただし、実際にはどれだけの金額が被害に遭っているかわからず、金融機関やローン会社も手を焼いている状況のようです。

個人情報の確認も行う日本では、アメリカに比べると架空ID詐欺の被害は少ないかもしれません。ただし、マイナンバー制度の導入によって日本人にも社会保障が付与されます。架空ID詐欺の手法が架空人物のクレジットスコアを育てると考えると、数年後には大きな被害が出ている可能性もあるのです。

架空ID詐欺に立ち向かう有効な手段はまだ考えられていません。大切なことは、マイナンバーだけでなく本人の個人情報をきちんと確認することです。クレジットスコアや社会保障番号を偏重しすぎないよう、金融機関では慎重に審査を進めることが求められるでしょう。

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