自治会・町内会で防犯カメラを設置するメリットとは?
近年、安心した街づくりの一環として自治会や町内会で防犯カメラの設置を行うところもあります。ここでは、自治会・町内会で防犯カメラを設置するメリットについて解説します。 自治会・町内会は地域防犯の役割も担 …
特殊詐欺事件に関わる事件の中で、ターゲットから現金を受け取る「受け子」という役割はバイト感覚で関与してしまうことがあり、注意が必要とされています。「受け子」がもし「中身を知らなかった」と主張した場合、詐欺として立件されるのでしょうか?
特殊詐欺事件では、1件の事件でも騙す側に多くの人が関わっていることがあります。中でも「受け子」としての役割は、「ただ荷物を受け取るだけ」という謳い文句で高額な時給が支払われ、アルバイト感覚で若い世代を中心に詐欺に加担してしまうケースがあります。「受け子」が「中身を知らなかった」と主張した場合、有罪になるのでしょうか?それとも無罪になるのでしょうか?
あるケースでは、70代の女性宅にバイク便のアルバイトとして荷物を受取りに行き、荷物を預かろうとしたところを警察に取り押さえられたというものがあります。荷物には150万円の現金が入っていました。「受け子」として逮捕された30代無職の男性は、「中身を知らなかった」と主張。荷物を受け取る際に、150万円在中と書かれているのを見つけ、「現金は受け取ることができない」と荷物を女性に返していました。東京地裁は男性がお金を女性に返した点を重視し、「詐欺の認識を推認できない」として無罪の判決を言い渡しました。
前述した事例以外にも、受け子が「中身を知らなかった」と主張した場合、詐欺として成立するのかどうかが争点となることが多々あります。例えば、40代の男性がマンションの空き部屋で、届けられた荷物を受け取ったことが「受け子」としての働きで詐欺に加担したとされる事例がありました。受け取る荷物は、特殊詐欺でターゲットから送付された現金でしたが、男性は中身を知らなかったと主張しています。
「中身を知らなくても、高額な給与が支払われている時点で、何らかの詐欺に加担していることに気付くはずだ」「特殊詐欺については多くの人が知るところであり、全く知らなかったということに無理がある」など、2審で無罪となったケースが最高裁で覆ることもあり、受け子の「中身を知らなかった」の主張に関しては、意見が分かれるところです。
特殊詐欺では、騙す側にいくつかの役割があります。直接ターゲットと話をする役割では、ある程度のトーク技術が求められますが、ターゲットから現金を受け取る「受け子」の場合は特別な能力が必要ではなく、誰にでもできるということが問題を大きくしているとされています。「受け子」は荷物を受け取っているときに現行犯逮捕される危険性も高く、詐欺グループは自分たちの身の安全のためにも、グループと無関係な人を雇い、いわゆる「足切り」要員としているところがあります。そのような事情も知らずに「荷物を受け取るだけで高額報酬」などの文句につられ、アルバイト感覚で詐欺に加担してしまう若い世代も多く、大きな社会問題に発展しています。
「簡単な作業で高額収入」というような夢のような話は存在しません。必ず何かしらの裏話が付いて回るものです。自身が詐欺被害に遭わないようにするだけでなく、知らず知らずのうちに詐欺に加担し、誰かを騙す側にならないように気を付けましょう。