防犯のすゝめ

最も深刻な犯罪被害は痴漢行為。女性の意識調査から考える被害状況

女性に対する犯罪被害は今もなお深刻な問題です。意識調査の結果を見ると、現在の被害状況や傾向が分かってきました。

今回は女性が苦しむ犯罪被害はどのようなものがあるのか、被害防止のためにどんなことを行っているのか、詳しく解説していきます。

14年間のストーカー被害に苦しんだ女性

2021年11月、さいたま地裁において、14年間のストーカー被害を受け続けた女性の証人尋問が行われました。逮捕されたのは埼玉県在住の41歳男性・橋本憲介被告。同じ女性に対して14年間も痴漢やつきまとい行為を繰り返していました。

被害者の女性の証言によると、中学2年生の時からほぼ毎日痴漢行為を受けていたとのこと。通学の電車内において衣服の上から陰部を触られるといった行為、酷い時にはスカートや下着の中に手を入れられることもあったと言います。高校生になってからは週3~4回ほど、大学生になれば年に数回程度まで減ったそうですが、社会人になると再びつきまとわれるようになりました。痴漢行為に加え、駅での待ち伏せ、スマホでの盗撮など徐々に行為がエスカレートしてさまざまな被害を受けていました。

橋本被告は「ただ仲良くなりたかっただけ」と話していますが、あまりにも壮絶な行為に社会全体を驚かせました。

女性が不安に感じる犯罪被害ランキング

2021年11月、セコムは全国の10代以上女性150名を対象に「女性の『安全・安心』に関する意識調査」を実施。調査の結果から、女性が懸念する犯罪行為の傾向や割合が浮き彫りとなりました。

犯罪被害を不安に感じた、実際にされたことがある、と回答した人は合計83.4%、その中で実際に被害にあった人は約31%であることが分かりました。不安に感じる要素で最も多いのが「痴漢」で30.7%、次いで「ストーカー」が20.7%、さらに「ネットでのトラブル、SNS悪用」も19.3%の人が恐れていると回答しました。実際被害にあった犯罪行為も痴漢が最多となっています。

これほど多くの女性が不安を感じたり被害を受けたりしているにもかかわらず、どのような対応をしたかという質問に対しては約40%の女性が「何もできなかった、できずにいる」と回答。家族や友人に相談できた人、警察に通報できた人、など周囲に助けを求めることができたのは10%未満という結果になりました。

被害を防ぐために行っていること

意識調査第3位の不安要素「ネットでのトラブル、SNSの悪用」に対し、どのような対策を行っているのか調べたところ、さまざまな回答がありました。

最も多かった被害対策は「PC、スマホにパスワードを設定」で約54%の人が実施しているとの結果に。また45.3%の人は「不審なメールは開封せず削除」、44.7%は「信頼できないWi-Fiを使わない」といった対策を行っているようです。しかし約15%は「特に対策をしていない」と回答し、セキュリティ意識の低さが目立ちました。

また痴漢やストーカーに対しては「歩きスマホをしない」と答えた人もいました。10代の歩きスマホは特に多く、78%が経験ありと回答しています。歩きスマホは周囲の状況が把握できず、狙われていることに気付きにくいため、今すぐやめるよう心がけましょう。

人気の防犯グッズ











資料請求・ご相談フォーム

この記事に関連する記事

防犯のすゝめ

QRコードを偽装した「クイッシング」とは?犯罪の手口や注意点を解説

現在、クイッシング詐欺が横行しています。とても便利な手段であるQRコードを使ったものです。この記事では、クイッシング詐欺がどのような手口か、引っかかった場合にどうなるのかなどと併せて対策方法についても …

防犯のすゝめ

特殊詐欺を防ぐ!犯人から電話を受けないための対処法とは

特殊詐欺とは親族や公共機関の職員等を名乗り、被害者から現金をだまし取る手口のことです。ニュースでよく耳にするオレオレ詐欺をはじめ、還付金詐欺や架空料金請求詐欺なども特殊詐欺に該当します。特殊詐欺は電話 …