防犯のすゝめ

渋谷駅前で女性専用車両反対派と賛成派が衝突

痴漢防止のためのサービスとして始まった女性専用車両が、男性差別だとする意見が持ち上がり、双方が衝突する問題が増えています。性犯罪の被害への理解と女性の防犯は、どうすれば両立するのかについて考えてみましょう。

女性専用車両反対派と賛成派

都心の地下鉄で、女性専用車両に男性客が居座るトラブルが発生。女性専用車両反対派の活動としておこなわれたことで、これを機に渋谷駅前で女性専用車両反対の街頭演説まで予定されました。SNSなどで予定を知った女性専用車両賛成派が50名ほど集まり、反対派に向けて声をあげ、活動を阻止する事態となりました。

渋谷駅での街頭演説予定にまで発展した問題ですが、実は女性専用車両が男性差別だと主張する人や同意する人がトラブルを起こすケースが増えてきています。そもそも、女性専用車両は痴漢被害を防ぐことが主目的です。反対派は「痴漢対策には大賛成」としながらも、「痴漢対策として男性対策をするのは大反対」と主張しています。しかし、痴漢という性犯罪が横行している以上、このリスクを助長するような行為は痴漢が重大犯罪だと認識していないと考える人もいます。そして同時に、女性差別に加担しているような行為ともいえるとの意見も出ているのです。

痴漢・性犯罪を抜本的に対策するには

女性専用車両は痴漢対策として始まったイメージが強いものの、女性だけが乗れる車両という意味ではさらに長い歴史を持っています。痴漢を注意した女性が逆に強姦被害に遭うという事件などが発生し、「痴漢は犯罪」を訴えるポスターも誕生しましたが、それでも痴漢犯罪は後を絶ちません。

女性専用車両が導入されていても、痴漢防止の根本的な解決策とはいえないでしょう。だからといって、痴漢に遭わないように女性専用車両に乗り込む女性の心情を無視して女性専用車両を利用するのは、痴漢犯罪を軽視しているともとれます。

痴漢被害に遭う側からすれば、痴漢に遭っているときに声をあげるのは困難です。痴漢にそれ以上のことをされる恐怖に加え、痴漢に遭っていたことを周囲に知られるのもつらいでしょう。そのようにして、痴漢被害に遭っている多くの女性が声をあげずに泣き寝入りしています。また、声をあげても無視されることが多いのが、現在の社会状況でもあります。しかし、痴漢をはじめとした性犯罪を撲滅するには、女性が声をあげることが必要だとも考えられるようになってきています。

女性自身が「声を出そう」と、国際女性デーで連携

1975年に制定された国際女性デーでは、近年になって女性が立ち上がる様子が注目されてきています。都心でもマーチに参加する女性が750名を超える勢いで、「#metoo」「#wetoo」の文字を入れたアイテムを持ち歩き、海外メディアからも取材されるほどです。

こうした活動に参加する女性からは、お祭り的にゆるく連携できるのがよいという意見も出ています。なかには、女性が長年受け続けてきた性差別やシングルマザーとしての差別などに声をあげる人も増加中です。被害に遭った女性を同じ女性が責めるような問題も指摘されている中、被害者を責めないこともクローズアップされています。自分の罪だと思い込んでしまう被害者も多く、国際女性デーでの連携をきっかけに、本当に撲滅すべき罪は何かを考えて行動していくことが大切です。

性犯罪の被害に遭って声を出すことは、非常に勇気のいることです。しかし、声をあげることで良い方向に変わっていくこともあります。一歩を踏み出そうとする気持ちに勇気を与えてくれる国際女性デーなどは、一つのきっかけとなるでしょう。

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