防犯のすゝめ

災害時には道路情報が重要。衛星写真を活用した情報収集の仕組みやメリットって?

大規模災害が発生した場合、身を守るために道路情報は欠かせません。最近では衛星写真を活用した道路情報サービスが注目を集めています。

今回は、衛星写真を活用した情報収集の仕組み、活用するメリットについて詳しく解説します。

東芝が都市内高速道路への展開に関する研究をスタート

2022年5月9日、東芝インフラシステムズとノキアソリューションズ&ネットワークスが首都高速道路との共同研究をスタートさせたことを発表しました。

共同研究は、災害時の確実な情報収集と業務の迅速化を図るための「ローカル5G無線通信エリア構築」におけるもの。高速道路上での実証実験を通じて、無線通信エリア構築の課題を分析し、都市内高速道路上へのローカル5Gを実現化することを目的としています。

今後は、実測データの取得・シミュレーション・実測の差異などを分析し、約1年をかけて高速道路への無線通信エリアを拡大していく予定です。次世代通信であるローカル5Gの高速大容量・低遅延・多接続というメリットを活かし、インフラ整備や安全な維持管理に役立てることが期待されています。 

航空・衛星写真サービスを活用した道路情報収集の仕組み

特定非営利活動法人「ITS Japan」では、カーナビに使用されているプローブデータを活用した交通情報をWeb上で公開しています。プローブデータとはGPSによって記録される走行履歴情報のことです。

地図上には、前日の0時から24時の間に衛星から収集した各地の通行実績が表示されます。公開されている地図には、国土地理院や道路管理者から集めた情報も連動されており、同じ地図上で交通規制がかけられている情報も確認することが可能です。

実際に東日本大震災のときには、一刻も早く支援物資を届けるために「ITS Japan」の交通情報が活用され、被災地支援に大きく貢献しました。

また、「Googleマップ」では被災地の詳細な衛星・航空写真が公開され、被害状況をWeb上で確認するために自治体などで活用されていました。

活用するメリットとは

プローブデータを活用することで「最新情報を取得できる」「情報共有が容易になる」という2つのメリットを得られます。

GPSによるデータは無線通信網を介して随時更新されます。そのため、最新かつ精度の高い道路情報を受け取り、その場の状況を即座に知ることが可能です。

また、情報を共有しやすいのも利点の一つです。各地の通行実績や衛星写真を、幅広い範囲から取得し、Web上に一斉アップロードします。また、管理の異なる道路状況を一元化できるため、一度で収集・参照が可能となります。

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