自治会・町内会で防犯カメラを設置するメリットとは?
近年、安心した街づくりの一環として自治会や町内会で防犯カメラの設置を行うところもあります。ここでは、自治会・町内会で防犯カメラを設置するメリットについて解説します。 自治会・町内会は地域防犯の役割も担 …
ひとつの手口がおさまりかけたかと思うと、新しい手口が横行し始めて切りがないのが特殊詐欺被害の現実です。一向に減少する気配のない特殊詐欺の対策として、兵庫県警では落語家と協力し、特殊詐欺の手口や対策を伝える創作落語DVDを制作しました。
オレオレ詐欺をはじめ、高齢者を狙った特殊詐欺は手口をあれこれ変えては被害を増加し続けています。高齢者などの対策をする側にとっては、1つの詐欺手口に注意するようになった途端に新しい手口が登場することに追いついていけない現状です。
こうした特殊詐欺の悪質なやり方に対策するため、兵庫県警では落語に注目しています。落語家の桂三若さんと協力して創作した上方落語に特殊詐欺の手口や対策を伝えるものがあり、これが高齢者に好評だったのです。そこで兵庫県警では、この創作落語をDVD化して配布を行い、被害事例や防止策の啓蒙を行う計画をしています。
特殊詐欺については、既に数え切れないほどの手口が一般にも報じられています。しかし、警察や金融機関、行政なども積極的に対策を講じているにもかかわらず、一向に被害が減少していません。平成29年度上半期にも、むしろ被害は増加傾向にあります。
例えば、平成29年上半期でも未だにオレオレ詐欺が848件認知されています。前年より200件以上も増えているのはなぜなのかと、疑問に感じる人が多いでしょう。還付金詐欺や架空請求詐欺も300件の認知を超えています。振り込め詐欺が20件程度にとどまっているからといって、油断できない状況です。
被害に遭う高齢者は70代以上が圧倒的に多く、その比率は女性が男性を上回っています。詐欺の手口が、被害者の不安や同情心を煽るものだからでもあるでしょう。被害件数はあくまでも認知件数であり、認知されていない件数も含めた被害はさらに広がっている可能性があります。
特殊詐欺については、自治体や都道府県警など、地域ごとに工夫をして対策に取り組んでいます。高齢者への注意喚起はもちろんのこと、判断がつきにくい高齢者を周囲の人が見守ってあげることも大切です。地域ごとの対策も、特殊詐欺を減少させる一助になることを願うばかりです。
あのときもう少し気を付けていれば、という後悔につながりがちな特殊詐欺被害。つまり、気を付けてさえいれば、被害を食い止めることもできます。本人を含め、周囲の協力によって特殊詐欺がなくなる時代を目指したいところです。