防犯のすゝめ

防犯カメラのプライバシー侵害に撤去事例はある?

あらゆるところで犯罪のリスクが増している昨今、防犯カメラの存在はいざというときの助けになります。防犯カメラの設置が当たりまえともいえる現代ですが、少し前までは、プライバシーの侵害になりかねないとして、撤去を願う人達もいました。

懸念されるプライバシー侵害

いざというときのために、防犯カメラを設置する家庭や施設は多数あります。安全に暮らしを営んだり、施設を運営したりする上で、防犯カメラは大きな安心を与えてくれます。しかし、防犯カメラの技術が急激な進歩をとげた今、顔面認証システムによる個人の特定や会話の内容などが詳細にわかることで、その情報が一部の悪意のある人によって共有されるのではないかと心配されることもあります。

鉄道会社や警察では、監視カメラを設置して防犯に役立てようという動きが見られますが、これは撮られる側の権利に配慮した考え方といえます。あらかじめ防犯カメラの設置ルールを決めておくとよいでしょう。
日本では設置を制限する法律の整備はありませんが、東京都杉並区はカメラの設置や運用に法的なルールを設けています。

防犯カメラの撤去例と設置の必然性

2015年11月には、東京地裁において、カメラの撤去と損害賠償請求の一部を認めた判例が出ています。この訴えは、被告が共同する区分所有建物の共有部分にカメラ4台を設置し、原告らのプライバシーを侵害しているとしたものです。判決として、原告宅の玄関入り口付近に立った人が常時鮮明に写っているカメラ1台について撤去が認められましたが、カメラには被告宅の防犯目的が含まれ、原告らへの監視目的まで含まれているとは認められず、すべてのカメラ撤去は認められないとされました。撮影された映像が、約2週間たつと自動的に上書き消去されるため、映像が永久保存・管理されるわけではないとされたのです。

防犯カメラの存在が犯罪の抑止力となり、被害を未然に防ぐ助けとなるのは事実です。
トラブルが起きないように設置場所に気をつけたり、専門家に相談したりすることでプライバシー侵害にも配慮しながら、上手に活用していきましょう。

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