自治会・町内会で防犯カメラを設置するメリットとは?
近年、安心した街づくりの一環として自治会や町内会で防犯カメラの設置を行うところもあります。ここでは、自治会・町内会で防犯カメラを設置するメリットについて解説します。 自治会・町内会は地域防犯の役割も担 …
あまり表立って報道されることは多くありませんが、性被害を受けている障害者の数は決して少なくありません。今回紹介するのは障害者を狙ったわいせつ行為事件について。先日発生した事件の概要について紹介するとともに、日本における障害者の性被害状況について解説します。
9月5日、東京に住む40代の男性がわいせつ目的誘拐などの容疑で逮捕されました。事件が起きたのは7月4日の夕方頃。自宅付近の路上で20代の女性に声をかけた容疑者は、そのまま女性を自宅に連れ込み無理やりわいせつ行為をしたとされています。被害女性は知的障害を抱えており、容疑者は以前からこの女性に狙いを定めていました。犯行を行う前にも何度か声をかけ、顔見知りの関係を作ってから行ったのが今回の事件。犯行当日も女性を狙って待ち伏せをするなど、かなり入念な計画を立てていたことが伺えます。
障害者は性暴力に対して抵抗する力が弱く、さらに被害を訴えることも難しいため、事件が表沙汰になることはあまりありません。しかし判明していないだけで事件が起きているのは紛れもない事実。内閣府が過去に行った調査によると、性被害に遭った事例127件のうち障害があった人の事例は70件にものぼったとのこと。障害を持つ人が少数派であることを考えると、この割合は驚くべき数字です。
またNPO法人「しあわせなみだ」が行った別の調査では、障害者32人に対し「何らかの性暴力を受けたことがあるか?」というアンケートを実施しました。その結果「ある」と回答したのは23人。その後の聞き取り調査によれば被害に遭っても自分も悪かったと感じる人が多く、泣き寝入りする人が少なくないということが分かりました。
障害者が性被害を訴える場合、証言が上手くできないせいで加害者が無罪になっているケースもあるといいます。どうせ抵抗することも被害を訴えることもできないだろうと、福祉施設の職員が犯行に及ぶこともあるのだそう。
海外では障害者に対する性犯罪が厳罰化されている国もあり、被害者に障害がある場合はより重い罪に問われることもあります。とはいえ日本ではまだまだ障害者を守る法制度は整っていません。この問題は障害者だけで解決するものではなく、家族や友人はもちろんそれ以外のすべての人も知っておくべきものだといえるでしょう。