自治会・町内会で防犯カメラを設置するメリットとは?
近年、安心した街づくりの一環として自治会や町内会で防犯カメラの設置を行うところもあります。ここでは、自治会・町内会で防犯カメラを設置するメリットについて解説します。 自治会・町内会は地域防犯の役割も担 …
高齢者が引き起こす犯罪は社会問題です。老後破産で貧しい高齢者が万引きするのは、周囲の同情を引くかもしれません。しかし、粗暴犯(暴行・傷害・脅迫・恐喝など)と呼ばれる犯罪も増え、社会から批判を浴びています。高齢者の犯罪が増加する原因と対策を考えてみましょう。
内閣府が発行している『高齢社会白書』によると、高齢者による刑法犯の検挙人数は2002年頃から急上昇をはじめ、2007年以降は横ばいの状態が続いています。ただし、高齢者の人口自体が増えていることを踏まえれば、割合的には減少の傾向にあると考えてよいかもしれません。
しかし、高齢者のみで年間5万件もの犯罪検挙数があるのは異例のことでしょう。特に窃盗犯の増加が落ち着きを見せたのに対して、粗暴犯が増えている点に社会的な注目が集まっています。高齢者がキレて起こす傷害事件がニュースでも話題です。
高齢者による犯罪が増加している原因は、高齢者の活動が目立ってきたからではないかという考えがあります。確かにかつてに比べれば、高齢になっても元気に過ごす人が増加しているのは事実です。
体力的に元気な高齢者が増えた一方、経済的には生活が悪化し、孤独感に苦しめられている人も少なくありません。人と対面せずに買物ができるコンビニやスーパーが増えていることで、万引きが増えているとも考えられます。また、認知症が増加し、本人の悪意なく犯罪につながる行為をしてしまうケースも増えているようです。
高齢者の中には、犯罪を繰り返してしまう人もいます。決して悪意があって犯罪に至る人ばかりではなく、むしろ社会的弱者ともいえる人が多いのは社会の責任でもあることです。前科何犯ともなれば、刑務所に入っては出所を繰り返す人も出てきます。高齢になって何の支えもなく社会で暮らすのは、至難の業でしょう。ただし、犯罪行為を同情のみで片づけるのも問題です。
社会全体がすべきことは、高齢者の生きがいのある生活を支援することと言われています。その一環として、社会生活を行う高齢者へ一声かけてあげることが大きな支援となるでしょう。たとえば、高齢者が店舗に入る際に声かけをすることで、自分という存在が社会で意味を持っているという意識につながり犯罪の抑制につながるはずです。
人間は生きている限りは目的を持つことが欠かせません。仕事を退職したあとの高齢者でも同様です。身近なことから対策できるので、社会全体で支援する姿勢を持つようにしましょう。