防犯のすゝめ

AIで「助けて!」の声を判別する研究

急に不審者に襲われたとき、「助けて!」と叫んでもSOSが認識されない可能性を考えたことが、誰にでもあるのではないでしょうか。雑音にかき消されてしまう恐れもあるSOSの音声について、AIで判別する音声認識システムの開発が進んでいます。

「助けて」と騒音の違いをAIで判別する音声認識システム

立命館大学情報工学部の研究チームが開発に取り組んでいるのは、街頭で助けを求める叫び声を多くの騒音の中から聞き分ける音声認識システムです。実験では、マイクの前に人が立って叫び声をあげると、単なる騒音なのかSOSなのかマイクに接続されたパソコンの人工知能(AI)が識別します。パソコンの画面には、何%の確率で叫び声がSOSと判別されたのかが表示される仕組みです。

ただし、AIが叫び声と判別しない声の中には、「助けて」が含まれる場合もあります。AIは、喉の仮声帯という部分の動きや口・喉の形の2つを指標にSOSなのかどうかを判別しているということです。SOSを求める叫び声の場合は、声帯が振動すると共に仮声帯も大きく振動します。喉を絞るように「助けて」と叫んでいない場合、AIにはSOSを求める声として判別されないような学習がおこなわれているようです。

防犯カメラやアプリへの応用

技術自体はほぼ完成しているというAIによる音声認識システムは、ゆくゆくは街頭の防犯カメラに搭載されることが想定されています。犯罪被害に遭った人が出したSOSを街の騒音の中から聞き分けて、カメラを素早く対象に向けることができるというイメージです。さらには、防犯ブザーやスマートフォンの防犯アプリへの活用にも期待されています。叫び声をキャッチしたときに自動的にブザーを鳴らす仕組みがあれば、犯罪を未然に防げる可能性も出てくるでしょう。

大声で犯罪被害から逃れられる?

女性が犯罪の対象として狙われているケースは、ニュースなどで明るみに出ている限りではありません。襲われて何とか逃げ延びているケースも多く、被害をまぬがれたケースから学ぶことも多そうです。

単純ですが、大声をあげることで犯罪被害から逃れているケースも多数だといいます。犯人がひるむほどの大声を出して逃げたというケース、不審者に近隣の人が声かけをすることで犯罪を未然に防いだケースが良い例です。あきらめる前に即座に回避行動をとることは効果的だと認識し、防犯ブザーを握りながら歩くくらいの用心もおすすめします。

いざというときに声をあげるのは、女性にとってなかなか困難でもあります。しかし、声をあげて助かったケースも多い点は、注目してほしいところです。被害を未然に防ぐ方法は、案外単純なことなのかもしれません。

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