防犯のすゝめ

未成年者を襲うSNSのトラブル被害。よくある事例と効果的な対処法

SNSの広がりをきっかけに、未成年者がインターネットトラブルに遭う事件が増加しています。最新技術を導入した防止策もありますが、日々のちょっとした心がけが大切です。

本記事では、未成年者が被害を受けやすいトラブル事例と、おすすめの予防策について解説します。


AI導入で未成年者の性犯罪防止に

兵庫県警は、未成年者の性被害防止策として、最新技術を搭載したAIシステムの導入を検討しています。AIシステムを活用すれば、SNS上で問題のある投稿を自動検出でき、大幅な効率化と予防に役立てられます。

新しいAIシステムでは、「JK」、「ホ別」、「神待ち」といった性犯罪につながる恐れのあるワードの投稿を自動的に検出し、捜査員へ通報するという仕組みになっています。従来のやり方だと手作業で投稿をチェックしていたため、多くても1時間に20件程度しか検出できませんでした。それに対し、新システムを利用すれば2倍以上の効率化を図れます。また、検出漏れを防ぐこともでき、捜査員は投稿内容の確認に専念できます。

このシステムが県議会で可決されれば、具体的に開発に着手する予定です。


未成年が巻き込まれやすいインターネットトラブル例

今では小学生でもスマートフォンを所有する時代になり、悪質サイトやSNSからトラブル被害に遭う未成年者が後を絶ちません。危険な事件に巻き込まれないよう、代表的なトラブル事例についてあらかじめ知っておきましょう。

ここでは、総務省が発信する「インターネットトラブル事例集」を参考に、SNSを含むインターネット全般のトラブルを紹介します。

1.コミュニケーション編〜予期せぬトラブルに備えて~

・グループトークでの友人とのトラブル

・自画撮り写真の交換に端を発した脅迫被害

・心のよりどころだったSNS上の知人による誘い出し


2.セルフコントロール編~ルールやモラルを守って使おう~

・他者の権利を侵害する投稿・二次利用・ダウンロード

・オンラインゲームをめぐるさまざまなトラブル

・フリマなどネットを介した個人間取引によるトラブル

・個人や学校などへの脅迫行為や犯行予告

・不正アクセスを狙って偽ログイン画面を開設


3.個人情報&プライバシー編~防ごう!悪用・詐欺被害・特定~

・悪意で設置されたWi-Fiスポットを使用し情報が流出

・メールからの誘導によるフィッシング詐欺被害

・入力した個人情報が目的外で利用?!

・投稿から個人が特定されたことによる被害


4.情報発信編〜被害者にも加害者にもならないために~

・悪ふざけなどの不適切な投稿

・コミュニティサイトなどでの未成年によるアプローチ

・アルバイト応募が招いた犯罪への加担

・SNS等での誹謗中傷による慰謝料請求


(引用元 総務省:インターネットトラブル事例集 2022年版
https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/trouble/



被害を防ぐのに効果的な「声かけ」

犯罪被害から未成年者を守るには、親や周囲の大人からの「声かけ」が有効であるといわれます。

性犯罪相談窓口の専門家は、「日頃から声かけすることで信頼関係を築け、万が一犯罪を受けそうになったとき・受けたときに相談しやすくなる」と話しています。相談しても責めない、味方になる、といった考えを子どもにアピールすることが何よりも大切です。

性犯罪のニュースを見るたびに「なんでも相談してね」といった声かけをすることで子どもに安心感を与えます。大切なのは繰り返し声かけを行うことです。

逆に、被害者本人にも問題があるといった声かけはやってはいけません。相談しづらい関係を作ってしまい、子どもが一人で抱え込んでしまう恐れがあります。

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